「相葉さん…」


「どうしたの。今日の櫻井くん、いつもと少し違うね。何か心配事でもあるのかな」


心配事…じゃなくて、不安…なのかな

さっきから胸がザワザワするんだ…

でも、何に対しての不安なのかわからない。

とりあえず、今日の初顔合わせに集中しないと…


「いえ…なんでもないです。さ、中に入りましょうか」


俺はドアを開けて、相葉さんを部屋の中へと案内した。

部屋の真ん中にあるテーブルの、奥の方に宝生さんと菊池が座っていて。俺と相葉さんが、宝生さんと菊池に向かい合うように座って、初顔合わせが始まった。


「本日はお忙しい中ありがとうございます。こちらが宝生さんです」


菊池の言葉の後に、宝生さんが会釈をして


「あの…宝生です。相葉さん、私のこと…わかりますか?」


「はい…わかります」


「嬉しい。覚えていてくださったんですね。私、ずっと相葉さんにお会いしたくて…それで…」


「あの…すみません。お二人はお知り合いだったんですか?」


思わず問いかけてしまった俺に、宝生さんは微笑みながら


「私と相葉さんは、結婚のお約束をしているんです」


そう言ったんだ。