あれ…?今、俺…睨まれた?

でも、宝生さんとは今まで会ったことはないはず…


「気のせい…うん、気のせいだ」


「何が気のせいなの?」


いつのまにか、ニノが俺の隣に立っていて


「えっ…あの…何でもない」


「ふう〜ん。何でもないならいいけどさ。翔ちゃん、もうそろそろ相葉さんが見えるんじゃない?」


「あっ、ヤバ!じゃあ、俺、相葉さんをお迎えしてくる!」


慌ててカウンターまで行くと、ちょうど相葉さんが玄関を入ってみえて。


「相葉さん、お待ちしてました。今日はよろしくお願いします」

 

「櫻井くん、こんにちは。こちらこそよろしく」


「では、今日のお部屋にご案内しますね」


相葉さんはいつもの優しい笑顔を見せてくれた。


俺は、相葉さんの少し前を歩いていく。本当は隣に並んで歩きたいのだけど、ここは職場で、俺は相葉さんの担当者で。

もし、担当者としてではなく、友達として出会っていたら、俺は相葉さんの隣で歩けたのにな…そんなことを考えながら面談室の前まで歩いた。


面談室のドアを開けようとドアノブに手を伸ばす。いつもならそのままドアを開けて、部屋の中へ入るのだけど、何故か今日はドアを開けるのが躊躇われて。

ドアノブに手をかけたまま動けない俺に


「櫻井くん、どうしたの?」


後ろから相葉さんが優しく声をかけてくれた。