「ところで櫻井さん」
風間さんが俺の隣に腰掛けて
「相葉様の結婚相手、見つかりそうですか?苦戦してらっしゃるのではないですか?」
「そうですね…苦戦…というか、僕が相葉さんのご要望を上手く聞き取れなくて…」
「でしょうね。相葉さん、ちっとも乗り気じゃないですもんね」
「なぁ、風間くん。どうして君はここに座って喋ってるのかなぁ」
「いいじゃないですか、相葉さん。今日は休業日だったのに、呼び出されたんですから」
「お客様のためにできることを惜しまないのがここのモットーだろ?」
「あの…お二人とも…」
さっきまでと違う2人の様子に戸惑っていると
「ほら相葉さん。櫻井さんが戸惑ってますよ」
「…まったく。櫻井くん、風間は大学のサークルの後輩なんだよ」
「えっ、そうなんですか?」
「はい。そうなんです。相葉さんには学生の頃からずっとお世話になってて。このお店を始めてからもご贔屓にしてもらってるんです。今日も休業日なのに電話一本で呼び出されて…」
「…っはぁ、またお前はそういうことを言う。確かに休みに呼びつけたのは悪かったけどさぁ」
相葉さんと風間さんの会話に、いつもと違う素の相葉さんを感じられてなんだか嬉しくて。
「ふふ、お二人とも仲良しなんですね」
「まぁ…仲がいいというか…腐れ縁だな」
「腐れ縁って…そこは仲良しでいいでしょうよ」