「相葉くん…」

櫻井くんの瞳から、涙がポロポロ溢れて。溢れる涙を手で拭いながら、櫻井くんが泣いている。

オレはそっと櫻井くんに近づいて


「そんなにゴシゴシすると目が腫れちゃうよ」


櫻井くんの頬を伝う涙をそっと拭って、それから櫻井くんと目を合わせて


「櫻井くん。オレは櫻井くんのことが好きです。オレと付き合ってもらえませんか」


「相葉くん…俺も相葉くんのことが好きです」

 

櫻井くんが、もう一度気持ちを伝えてくれて。オレは目の奥が熱くなったのを気づかれないように、櫻井くんの身体を抱き寄せた。櫻井くんもオレの背中に腕をまわしてくれて。花火の音が響く中、オレ達はしばらくの間、抱きしめあっていた。


櫻井くんが、胸の中からオレを見上げて


「ふふ。俺たち泣きすぎだよね」


「オレは泣いてないけどね」


「嘘だ。相葉くん、目が真っ赤だよ」


「それは…ほら、花火の煙が目に染みたから…」


「ふふふ。そう言うことにしておくよ。ねぇ相葉くん、このままここで花火を観る?」


「そうだね。せっかく2人になれたんだし、ここで観ようよ」


オレ達はどちらからともなく手を繋いで。花火が終わるまでずっと空を見上げていた。