温かい日が続いたと思ったら寒い日が続いたり、春先の天候は不安定で体調不良になる方が多い印象です。
昨年から、業務の傍ら鍼灸あん摩の夜間学校に通っております。
今回は、春先におすすめのツボと豆知識を紹介出来たらと思います。
○豆知識
五行説とは、地球にあるあらゆるものは「木」・「火」・「土」・「金」・「水」の5つの要素から成り立っているという考え方です。その中で「春」に該当するのが「五時」という考え方の中の「木」に当たります。この思想の面白いところとして、五行がそれぞれ縦にリンクしているところです。
※分かりにくいので一部を書いてみます。
五行→ 木・火・土 ・金・水
五時→ 春・夏・長夏・秋・冬
五臓→ 肝・心・脾 ・肺・腎
五情→ 怒・喜・思 ・憂・恐 などなど
「木」に該当するのが「春」であり「肝」臓となります。「春」は「肝」と関連があることになります。
「肝」の機能は大きく2つあり、疏泄作用と蔵血機能です。
疏泄とは、身体の中の気の流れを調節する作用です。気の流れを調整することで、脾胃の作用、各機能や情志の調節もしてくれます。
蔵血とは、血を貯めたり血液を調節したりする作用です。貯めている血をどこにどのくらい送ったら良いのかを考えています。
これらの作用がうまくいかなくなると、怒り易くイライラしたり、小さな心配をしたり、抑うつ的になったりなど、気持ちの乱れが現れます。気の流れとともに感情も滞ると、ストレスとなり免疫力を低下させます。
○春先におすすめのツボ
・太衝(たいしょう)→ 足の母指(第1指)と隣の指(第2指)の間を、指先から擦り上げていくと骨に当たるところにとる
肝経のツボ 交感神経を落ち着かせてストレスの軽減を図るツボ
・足三里(あしさんり)→ 膝のお皿から指4本分下にとり、脛(すね)の外側にとる
胃経のツボ ストレスに弱い胃脾の働きを助け疲れやむくみの解消を図るツボ
松尾芭蕉もお灸をしたことで有名です
ざっくりとした内容ですが、如何だったでしょうか。
鍼灸は中医学が基になっているため、西洋医学とは異なった考え方と思われます。
思想の要素が強いため西洋医学のようなエビデンスは少ないですが、近年では科学的にも立証されている部分も増えています。また急性症状に比べて慢性症状の方が有効なものも多いため、受病されて長期化している利用者さまの変化に寄与できる可能性を秘めています。言語聴覚士として訪問看護ステーションに在籍しておりますが、マルチに活動できるように今後も精進して皆さまに還元していきたいと思います。
言語聴覚士 楠