帯が絶賛の嵐だった分、ちょっと期待外れでした。

この作品がデビュー作らしく、そういう点も含めて面白くてよい作品だと思うけど、期待値を上げ過ぎた気がします。

滋賀を舞台に書かれた作品なのもセールスポイントのようですが、一番ピックアップされている西武大津店が閉店されていることもあり、知っている人は楽しめるけど知らない人はさほど盛り上がれないというのも原因な気がします。

後、私自身思い出の多い通い慣れたお店が閉店で悲しいという状況になったことがないので、そういう点で共感できなかったのも大きいかもしれません。

2・3話ほどその西武大津店が中心の話で、それ以降は主人公成瀬を取り巻く人々の物語で、最終話が成瀬視点で描かれています。

以降の滋賀がさほど絡まない(まったく絡まないわけではない)物語のほうが読みやすく、好みでした。

こういうのは合う合わないの問題なので仕方ないかなと思いました。

主人公成瀬は優秀が故にちょっと変わっている女の子という感じです。

そんな成瀬にコンプレックス抱いたり、憧れたりといろいろな物語がありつつ、成瀬自身も変わってはいるけど動揺したり悲しくなったりと普通の一面もあって、微笑ましい?青春物語として楽しみました。