面白かった!
結構分厚いのにあっという間に読み終えました。
あらすじが難しい。
ある日突然姿を消した婚約者を探しているうちに、出会う前の彼女の過去を知っていく……という話です。
文庫化にあたってなのか、ブクログでの感想をピックアップされたポップの画像の内容に心惹かれました。
自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです。
作中に出てくるある人の言葉なのですが、その言葉がすごくささるという感想を見て気になっていました。
失踪した婚約者の置かれている環境がすごく理解できます。
周りの環境とかは異なりますが、親にとっての良い子でいたいと、ある程度言いなりになっていたところとか。
なので、この本面白かったよって親に貸すのは少し憚られます。
でも一番怖いのは、こういう親もいるのねって言われることですね。
遅かったにしても、自分の置かれている状況に気づいて行動を起こしたのは偉いなと思います。
この二人は婚活で知り合って婚約まで至ったのですが、その過程の男性視点も面白かったです。
結婚に尻込みしているうちに彼女に去られ、彼女こそがこれからも一緒に居たい人だったと後悔するも、時すでに遅し。
今まで難なく彼女が出来ていたのに、結婚相手となるとそうとも行かず。
なんとなく長く付き合うようになった彼女が出来、とある出来事から結婚する気になったものの、ある日突然失踪されてしまう。
彼視点で見ているとスマートな男性に見えたけど、女性視点で見ると結構鈍感っぽい。
そんな彼に鈍感と思われていた男性はもっと凄いんだろうな。
でも、鈍感だからこそ生きやすいというのはありそう。
彼女が過去に行っていた、結婚相談所の人が印象深かったです。
占い師にもなれそう。
新しいものを積極的に受け入れられる柔軟さと、人を見る目の確かさ。
話をしてくれて優しいなと思ったけど、どういう人が見たかったというのが怖かった。
後、男性の女友達の怖さ。
このタイミングで言う恐ろしさ。
油断しちゃダメだった。
でも結果論的には良い方向に向かったのかもしれない。
その後絶縁したのかな。
あんな冷静に分析されているの知ったらめちゃくちゃいたたまれなそう。