中国にマイナンバー入力委託の愚行。個人情報が中共に握られる

日本年金機構が個人情報の入力を委託していた会社が、中国の業者に入力業務を再委託していた事件。問題の業者「SAY企画」の社長は事実を認めた上で謝罪しましたが、台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、「日本年金機構の情報管理意識が低すぎることにも大きな問題がある」とし、日本のマイナンバーを狙う中国の動きにも言及しています。
 

【日中】日本の統治能力を中国に売り渡している危険性

● 中国の業者に年金個人情報 年金機構委託の企業が再委託

国会は森友問題をめぐる財務省の公文書書き換え問題で、またぞろ野党の倒閣運動の様相を呈していますが、その傍らで、もっと憂うべき事件が発生しました。日本年金機構がデータ入力を委託した都内の情報処理会社が、中国の業者に個人情報の入力業務を再委託していたことが発覚したのです。

もともと、2月支給の年金を巡って、受給者約130万人分の所得税が正しく控除されていないことから発覚したものですが、都内の業者は個人情報保護のために禁じられている別の業者への再委託を行っていたのです。

しかも、マイナンバーの入力までも委託していたというのですから深刻です。この3月から、年金分野でのマイナンバー活用が本格化したばかりでした。2015年5月に、日本年金機構がサイバー攻撃を受けて、101万人もの個人情報が流出したことは記憶に新しいことですが、そのような事件があったため、マイナンバーの年金での活用が延期されていたのです。しかも、そのサイバー攻撃は中国からのものだとされています。

● マイナンバー活用本格化=5日から年金手続きで記入

にもかかわらず、活用が始まったとたんに、このような情報漏えいが明らかになるのですから、日本年金機構の情報管理や業者選定は、非常にお粗末で、日本の野党同様、危機意識がなさすぎます。

中国は確実に日本のマイナンバーを狙っています。マイナンバーは一生、その番号が変わらないので、個人特定が容易であり、また、さまざまな行政サービスと紐付いています。各分野で個人情報が漏洩することで、ハッカーが国の重要人物を脅迫し、国家機密を盗むこともありうるとも言われています。

● マイナンバー制度を狙う中国…一生番号を変えられない点に問題も

韓国は日本より50年近く早く、マイナンバーを導入した国です。北朝鮮のスパイが入り込んでおり、その識別のために導入せざるをえませんでした。韓国では「住民登録制度」といいますが、何を買ったか、どのような思想をもっているかということまで筒抜けであり、2014年には韓国のカード会社から、のべ1億400万人分の個人情報が流出したという事件がありました。

● 韓国版マイナンバー いつどこで何を買ったかが当局に筒抜け

もちろん、マイナンバーには、不法滞在外国人や、脱税を防止するための強力な手段ではありますが、同時に、悪用されると何に使われるかわからないという怖さがあります。偽造大国の中国ですから、登録カード偽造、なりすましなども考えられますし、前述したように、個人の行動を把握し、ゆすり・たかりの手段として利用される可能性も否定出来ないのです。

とりわけ、現在の習近平政権は、中国国内の外資系企業ですら、自らの統制下に置こうとしています。中国政府が在中国の外資系企業に対して、企業内に中国共産党の支部をつくるよう求めていることは、本メルマガでも紹介しました。

ましてや、中国企業となれば、すべて政権の言うがままです。知り得た情報は、すべて中国共産党に筒抜けとなります。先日の全人代では憲法改正が行われましたが、中国共産党は憲法よりも上位にあり、すべて共産党の指導に従うことが憲法に明記されています。そしてその憲法に「習近平思想」が記載されたということは、「習近平=憲法」になったということなのです。

日本の社会福祉が、中国人や韓国人に食い物にされてきたことはよく知られていますが、中韓は企業機密や個人情報までも盗み出し、安い人件費を利用して、大量のニセモノをつくり、国際市場でダンピングを行ってきました。液晶や鉄鋼などはそのいい例ですが、日本にとって国家の安全に関わる問題でもあるのです。

現在では諜報員の訓練にはカネと時間がかなりかかるため、中国ではプロを育成するよりも、日本の私立探偵社を利用してスパイ行為を働くことも多いとされています。かりに彼らが逮捕されても、建物への不法侵入罪くらいですから、大事にならずに安上がりだというのです。

こうしたやり方は、中国の伝統的な「夷を以て夷を制す」の戦略ですが、日本の公安もいったい何をしているのか、非常に心もとない状態です。

中国によるサイバー攻撃やハッキングは世界的に見ても日常茶飯事となっており、最近はアフリカでも中国によるネットスパイ疑惑が大きな騒ぎとなっています。今年1月には、エチオピアの首都アディスアベバにあるアフリカ連合の通信ネットワークが不正アクセスを受けて、大量の機密情報が上海のサーバーにコピーされていたことが判明しています。

● 本部で不正アクセス 中国スパイ疑い指摘も

また、中国のハッカー集団は、南シナ海に関連するアメリカの情報・国防関連企業にもさまざまなサイバー攻撃を行っています。報道によれば、利用可能なデータの収集を行っており、国家のスパイ活動と一致するとのこと。きわめて不気味な動きを見せているのです。

● 中国のハッカー、南シナ海関連の米企業を攻撃-戦略情報の収集狙いか

中国のサイバー闇市場の利益は、すでに151億ドル(約1兆6000億円)を突破し、個人情報漏えい、詐欺行為などの被害額は915億元を上回っているといいます。

その中国では顔認識技術で、13億人の中国人を特定し、監視しています。日本のマイナンバーも一種の統治機構のための手段ではありますが、その統治能力を中国に握られることになると、たとえば過去の言動によって、中国に出張した日本人が中国当局に逮捕されるといったことも、起こりうることになります。

いずれにせよ、日本年金機構は、入力に関連した中国企業の情報漏えいを阻止し、日本人の情報を守らなくてはなりません。それと同時に、日本人の情報分野に、中国を参入させないようにしなくてはなりません。

大連などには、日本の企業の総務などからデータ入力を依頼されている企業も少なくありません。日本人のさまざまな個人情報がすでに流出しているのです、もしも中国が日本を侵略し、占領することになれば、マイナンバーをもとに統治することも、比較的容易になってきてしまいます。