あれは中学か高校生のころだったと思う

    歴史の教科書に出てきた 歎異抄 の一説 

        ”善人なおもって往生を遂ぐ、

               いわんや悪人をや” 

    私の心に大きく響いたこの一説、 現代語訳は

       (善人でさえ浄土に生まれることができるのだから、

             ましてや悪人は、なおさら往生できる。)

                ーー高森顕徹さん訳ーー

 

    あのころ心に響いた言葉の意味をきちんと知りたくて

    歎異抄に関する本や、親鸞の生きていた時代背景や

    ひいては鎌倉仏教に関する本をたくさん読んだのは 

    仕事を辞めた十数年前のことだった。

    

    

    どのようにして仏教が日本に伝わったのか、神道との関係、

    そして、最澄や空海のこと、いろいろ調べていくと

    今まで断片的に覚えていたことが少しずつ繋がって

    興味が深まっていった。

 

    話がとぶが

 

    認知症にならないためにといううたい文句で、有名な古典の暗記

    をする というのがある。

    夏目漱石の”坊ちゃん” や島崎藤村の”初恋”  その他方丈記、徒然草

    などの一説を暗記するというものだ。

    書店に行くと それに類したものがたくさん並んでいるのを見かける。

 

 

   ということで

   私が考えたのは 歎異抄の暗記

   原文を読んだだけでは何のことかさっぱり理解できない。なので、

   注釈本と照らし合わせながら、意味を理解しながら 

   少しずつ少しずつ・・・・

 

   

   私は今 こんな時間が持てている自分に幸せを感じる

 

   そして

 

   私にこんな時間を持たせてくれているたくさんのもの、こと、人たち

   すべてに感謝 だ。