20121110
【とことん心ゆくまで(以下略)】
「YOU☆ちゃん」
「んん~?」
「呑みづらくない?」
「大丈夫ですよ。伸びますし」
「そうなの?」
「ご飯も問題ありません」
「……でも、そろそろ取らない?」
「気になって仕方がないの」
それから間もなく開催した自己紹介タイムにて、板長のヘッドロックを喰らいながら取りました。
気に入っているのに。
☆ ☆ ☆
それから続きました、持ち寄り焼酎会。
「『赤霧島』ですけど、今は販売側に回っていて、九州でも入手困難になっているんですよ~」
「そうなの~?」
「代わりに『魔王』とかレアものが手に入りやすくなっているのが現状です」
「人気の呪いですね」
「今、『男の娘』って女装する男性いますよね。アレってどうなんですか?」
「うちでも女装男子の方々でメイド喫茶やったことありますよ―」
「それがすっごく綺麗なのよね~。メイクもばっちりで。こっちが嫉妬しちゃうくらい」
「へ、えぇ~」
「それにしても、顔色変わりませんね」
「そうですか?」
「うん、すごく綺麗なたまご肌でお美しい」
「いえいえ、ただの童顔です」
(別嬪さんだな~)
そんな会話を挟みつつ、焼酎と料理を楽しんでおりました。
【男はつらいよ編】
乾杯の口開けとして開けた『一刻者』は見事空になり、現在グラスに入っているのは、『さつま白波』のロック。
これもまた香ばしく重厚感のある芋焼酎で、酒欲をそそります。
◎さつま白波 黒麹仕込み(芋/鹿児島県)◎
芋と黒麹の重厚感の映える一本。
炭のような黒麹独特の香りに、呑み口からどっしりとくる芋の風味。
口に含んでからさらに膨らむ重厚感と、焼き芋のような香ばしさが映えます。
寒い季節には、お湯割りとして十分に香りを楽しみながら呑みたい焼酎です。
「『さつま白波』も美味しいですね」
「うん、私これ好きだわ」
「ラベルで選んできたんですけど、良かったです」
ラベル選びは大切です。
ドクロマスクも取れたので、ここからは少しペースアップ。
分厚い備長まぐろのお造りを頬張り、もっちりとした肉厚と甘い脂身を十分に堪能してから、焼酎をきゅっと一口。
甘口のさしみ醤油の味も良いアクセントになり、自然と頬が緩みます。
「今日ですね、もし良かったらチーズケーキ持ってこようかと思ったんですよ」
「チーズケーキ?」
「そう。『ふわっときらら』というチーズケーキなんですけど、まるで淡雪のようにふわっふわして美味しいんですよ―」
- 山ぶどうチーズケーキ&ふわっときらら
- ¥3,150
- 楽天
「ふわっふわ~」
「でもほら、人数や好き嫌いもあるかと思って」
「持ち寄りは大歓迎です!!」
「それに、『男が甘いもの』というのがどうも」
何でしょうか、その懐かしい引き気味な言葉は。
「そんなことないですよ。男性でも甘いもの大好きな人沢山いますし、喫茶店でチョコパフェ食べる男性や、スイーツ男子とかあるじゃないですか。それと、何処でしたっけ?某大学で『スイーツ男子部』みたいなサークルがあるとか」
そのようにサクサクと話すアデージョ姉さまに変わり、どうも渋った表情を崩さないTMさま。
聞き手側としてまじまじと見るKHさま、私、板長は、頭上に『?』マークが浮かぶような趣で、TMさまの次の言葉を待ちました。
「そうは言いますけど、それはメディアで取り上げられた一部だけのものですよ。まあ―前に比べれば、ずいぶんと違和感のないようになりましたけど、やっぱり厳しいんですよ。そういうのには」
そうなのですか??
実際にスイーツバイキングに行ったという男性陣を交互に見ながら、続きの話を聞くことにしました。
「――なめことチンゲン菜の炒め物になります」
「ありがとうございます」
あ、美味しそう。でもなめこが化け物みたいです。
「確かに仕事面は、男性の方が有利な場面もあるんですけど。プライベート面は男性にとっては厳しいですよ」
「プライベート面ですか?」
「そうそう。ぶっちゃけ男同士でディナーとか旅行とか行けませんよ?」
「え、そうなの?」
意外というか、思ってもいない所の指摘に声がこぼれました。
「地元の居酒屋や焼肉店ならともかく、敷居の高い処のディナーは、まず女性を連れて行かないと。男一人であったとしても、それなりの成りが必要ですしね」
「ナリ」
「そう。男同士で行こうものなら、まず『あっちの気』かと疑われます」
そう言って頬に手を添えて、ウフフッとした仕草。
ううむ、そういうものなのでしょうか?
「私は気にしないけど―?」
「そういう方も居ますが、やはり世間体はそういかないんです。高級ディナー=最高のデートの特別な場所、なんてイメージが高いですから。それに旅行も、男性2人だと宿とれないんですよ。同じ理由で」
「同じ理由」
と、先ほど見せて頂いた仕草を真似ると、うんうんと頷くご様子。
確かに宿の一人泊まりはいけないと聞いたことありますが、まさか男性二人泊まりにも手厳しいとは。
私が深く考えない性質だからでしょうか。話してくださったことが、今一つピンとくるものではありませんでした。
ですので、耳に入る内容は全て『え、そうなの?』と疑問符が浮かびました。
「……言われてみれば、女性二人でディナーや二人旅は、まず『そっちの気』って感じないですよね」
「コラコラ」
「まあ、女子会や女子旅なんてのも、企画としてありますね」
「うん」
「今は、女性にとってずいぶん開放的なイメージがあるわね。ほら、前に『おひとりさま』ってドラマあったじゃない?女性が一人でランチしたり居酒屋行ったり」
そのおひとりさまは、全て経験済みです。
と言われると、確かに『女子会』という言葉と等しく、女性陣にとってプライベートエリアは、ずいぶんと充実しております。
映画館やカラオケでも『レディースデー』などのサービスもありますし、『女子会』メニューを充実させる某居酒屋チェーン店も多いです。
立ち飲み居酒屋の本にしても、『女性一人歓迎』のグラフのついているものまであります。
逆に言いますと、『ボーイズデー/メンズデー』や『男子会』を謳っているサービスは、耳にしたことがありません。
その理由については、元々『男性の集い場』として見られていた場所に、女性が進出してきたから、ということ納得できます。
その逆も然り。
『女性の集い場』に男性が進出してきたことにより、『スイーツ男子』や『料理男子』などという言葉が出てきたのでしょう。
振り返って考えますと、『男性の集い場』への女性進出は進行しているのに対し、『女性の集い場』への男性進出が比較的遅い、ということでしょうか。
「……なかなか難しいです」
「まあー、簡単に言ってしまうとね。男が甘いもの食べに行ったりするのって、昔で言えば女性が一人で居酒屋に行くようなものなんです。そのくらい珍しく、一目置いてしまうようなものなんですよ」
「ほぉ―お」
「そういうものなの」
「そういうものなのですか」
固定概念とは、程々面倒なものです。
「サワラの中華蒸しでございます」
「ありがとう―板長」
「まだこっちも出るさね」
「何それ」
「レバニラ炒めでございます」
「おおっ、プリップリではないですか」
「ねぇ―、良かったらココで『男子スイーツ会』ってやってみない?」
「『男子スイーツ会』??」
「そうそう。男性陣が各々スイーツ持ち寄って楽しむ会。どうかしら?」
「その際は、『女性禁制』?」
「んん~」
「……男装OK?」
「何処までやるのアナタは」
☆ ☆ ☆
そんな流れで、今回の持ち寄り焼酎会は終了となりました。
なかなか濃ゆい人脈や男性ならではの内容など、こちらも楽しませて頂きました。
ではでは、今回の収穫情報は『男の浪漫は黒タイツ』ということ締めさせて頂きます。
ありがとうございました。
◆ ◆ ◆
【翌日情報 20121111】
今回の持ち寄り焼酎会にご参加頂いた、TMさまのお知り合いで、声優のタマゴさまが路上ライブデビューすることに。
持ち寄り日本酒会開始前に、そのお方の路上ライブ鑑賞に行ってまいりました!!
詳細はまた別途更新します。
前回→男はつらいよ☆持ち寄り焼酎会(恐るべし人脈編)20121110