20120909
【初物は縁起物編】
【初物は縁起物編】
「ごめんなさい、うち網がなくて」
「ううん、大丈夫だよ。でも何か痛そう」
「松茸って美味しいのですか?あんま食べたことない」
「初物だからね。縁起が良いものだよ」
「効能は?」
「んん―と、長生きするとかかな」
じゃあ、大きいものを食べた方が、ご長寿になれるのでしょうか。
でも、3Lは大き過ぎます(※この後で3Lは縦に裂かれました)。
「むふぅ~っ♪」
「気に入ってますね―」
「むふぅ~っ♪」
「これで帽子取られる心配がなくなりました」
先日、お燗同盟の親分ことJOさまにお願いした『お燗キャップ』。
それが今回の日本酒呑み会で到着し、早速装着しております。
私は、黒地に濃いピンクの刺繍糸。
アデージョ姉さまは、赤地に黒の刺繍糸。
頭部真正面に『燗』、後頭部に小さく『酒』と刺繍された、贅沢なオーダーメイドです。
この帽子を被れば貴方も『お燗同盟』!!
ちょっとした優越感に浸れます。
そして今回。お燗同盟の親分のJOさまは、粋な格好で参上しました。
パリッとした黒錆色の浴衣にお燗キャップ。左手に扇子と合わせれば、これまた粋そのもの。
ご本人は『暑いっ』と言っておりましたが、とても良くお似合いでございました。
「お燗同盟どうですか?」
「まだまだ募集中ですよ」
「そういやJOさまって、何か他にしているんですか?」
「してますよ。『神奈川県相模原カラオケオフ会』の幹事」
何と。
「実際に主催しているんですよ」
「えーっと、じゃあKJさまもご一緒に」
「そうですよ」
「聴きたい♪♪」
「いやいやいや、まだ人に聴かせるくらいじゃないですから」
「そうなの?」
「そう。まだまだ未熟者ですから」
「指導受けてます」
と、KJさまのオンステージは緩やかに却下。
この話題も、呑み会の席の一角で静かに幕を閉じるかと思いました。
しかし、そんな美味しいものを逃す、当呑み会ではないのです。
【……数分後】
「じゃあJOさま歌ってください!!」
「よぅっ!!」
「ええぇーっ?!」
「よろしくお願いします!!」
「いやいやっ、スポットライトないし」
ピッ
ピッ
「え」
「はい、スポットライト完成―!!(※キッチン用の電球のライト使用)」
「ええぇぇ――っ!!」
できないを考えない。どうやればできるか考えるのです。
(※不足の場合は、懐中電灯も準備)
逃れられない雰囲気の完成した中、JOさまの演歌オンステージ完成。
が、重要な音楽がない。
「アカペラでいきます」
その心意気、お見事です。
そして第一回、JOさまの演歌オンステージ開催。
選曲は、『玄海船歌』。
(おお―……っ)
普段の話しているほっこりとした声とは別に、きゅっとこぶしの聞いた良い声。
伴奏がないのは残念と思っていましたが、アカペラでも十分聞き惚れるくらいの効果はありました。
時間としては、約2分少々。
オンステージは、静かに終わりました。
終わった後、スイッチが切れたようにペコペコと頭を下げるJOさま。
ご本人は満足のいくものでなかったようですが、こっち呑んだくれは満足でした。
「んまいね―」
「うん、上手―」
「本当はもっと上手くできるんですけど」
その自重じみた言葉が、再度呑み会全体を触発しました。
【さらに数分後】
「第二回JOさまオンステージ!!」
「ええぇぇぇ――っ!!」
「私ね、『天城越え』がいい~」
「ご指名入りました―」
第一回より呑み会全員のテンションが向上。
酒気帯びも増し、断れる雰囲気はほぼ皆無。
また呑みの一席で腰を上げ、辺りを見回すJOさま。
「ええっと……よろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
「あ、ちょっと待ってね。今ICレコーダー準備するから」
「ええぇぇっ?!」
(ええぇぇ―っ)
一際マイペースオーラを放つSさま。
ご自身のスマートフォンを弄り、レコーダーアプリを起動。
「これ有料なんですけどね、小さな音でも綺麗にキャッチする優れモノなんです」
文明の利器とは素晴らしいです。
録音準備の中、第二回JOさま演歌オンステージ開催。
選曲は、リクエスト曲の『天城越え』。
最初はJOさまだけの声に、次第に合いの手。
最後には、ほぼ全員の合いの手が入りました。
男性の『天城越え』は初めて聞きましたが、これはこれで艶があって良いものでした。
ご本人はまだまだとのコメントでしたが、こっちは良いもの聴かせて頂きました。
たまにはCDのBGM以外の音も、良いものですね。
ごちそうさまでした。
その後、お持たせの羊羹とお燗をきゅっ。
前に持ってきてくださった水羊羹も美味しかったですが、この箱羊羹も美味しかったです。
さらりとした舌触りと穏やかな甘みが、お燗で映えた酸味と良く合うのです。
元々羊羹大好きですが、この『お燗×羊羹』セットはハマりものです。
また歌って持ってきてください。
色々とごちそうさまでした。
◆ ◆ ◆
【何故あるし】
「幸せの黄色いすず音(イエロースパークリング/宮城県)」
「これ、年に一度の限定品だっけ?」
「ちょっとした酒屋にあったので」
「ご購入ありがとうございます」
「へ?」
「すず音の一ノ蔵酒造、私の知り合いがやってます」
改めて聞くとすごいことなんですよね、コレ。
恐るべし、MY姉さま。