最後の紅茶よ
あなたはそっと微笑んだ
震える指が
二器のカップをそろえる
好みの香りが静かに漂う
冬の初めの雨粒が
無情に窓辺を濡らす午後だった
あの日からどれほどの季が
繰り返されたのだろう
想い出という亡霊がかけぬけただけだった
好みのあの香りすら遠に忘れてしまった
想い出の墓標さえもない
冷えた雨が降る
冬来たりなば春遠からじはあるのだろうか
今朝は独りの昆布茶を含む
最後の紅茶よ
あなたはそっと微笑んだ
震える指が
二器のカップをそろえる
好みの香りが静かに漂う
冬の初めの雨粒が
無情に窓辺を濡らす午後だった
あの日からどれほどの季が
繰り返されたのだろう
想い出という亡霊がかけぬけただけだった
好みのあの香りすら遠に忘れてしまった
想い出の墓標さえもない
冷えた雨が降る
冬来たりなば春遠からじはあるのだろうか
今朝は独りの昆布茶を含む