夜明けの珈琲

 

そして

午後の紅茶

あれは

アールグレイだった

 

初夏から

夏へと移り変わる頃のこと

 

紅茶の香りは忘れたれど

夏の香りと

君のことは忘れていない

随分と昔のことだけど

 

君は元気でいるのだろうか

 

風が夏の香りを運んでくる

今年もまた夏が来る

 

アールグレイの香りも味も忘れたけれど

 

夏が来る

 

紫敷布