焦げるような夕陽の中で

君はいった

『もう さよならなのね』

 

『ごめんよ』

僕はその一言しかいえなかった

風の音も波が跳ねる音も何も聞こえなかった

 

辺りは静寂に包まれていた

 

紫敷布