季がくれば

 

花は精いっぱい咲く

 

誰のためにでもなく

 

なんのためにでもなく

 

健気に咲く

 

咲こうとする欲望のために咲く

 

美とする欲望のために咲く

 

故に花は美しいのだ

 

人は

 

美とするその欲望を

 

勘違いが故に

 

忘却という名のもとに

 

捨て去ってしまった

 

寂しい風が吹いている

 

紫敷布

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