執着のつもりはなかった

ただ

愛おしさのためだった

それを執着とするならば

もう前には進めない

進む術はない

振り向くこともない

二度と開けることのない扉を閉じて

見上げる六月の空は

あくまでも澄やかで青かった

 

紫敷布

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