雨の夜何の意識もなく開いた雑誌の一ページでした。
世界を操作しようとする才知の傲りに対して詩心は、世界の神秘に敬虔に頭を垂れる。
天空に広がる大宇宙と呼応して、地上に生きる人間も確かな法則に則りゆく一つの小宇宙である。
この大宇宙と小宇宙が共鳴するとき詩が生まれるのではないだろうか。
詩人は月や花や自然を媒介として、人間と世界との妙なる繫がりを直感するのだ。
なるほど。
物質的には恵まれていても、
日常、夜空を見上げて月や星を愛で、風を香りを感じる余裕が無い現代社会かもしれません。
詩的な余裕を知らない現代人の私たちは、宇宙と自然との関わりの、人間社会、そして人間関係の歪みを
自ら作っているのかもしれません。
社会の疎外感と孤独も誰のせいでもなく、私たち現代人のそれぞれが作り出しているのかもしれません。
『詩心の復権」を謳うる詩人の言葉が解らない訳ではないけれど、
そんなのんびりとした平和な現代社会ではありません。
万葉集のように和歌を詠める平和が欲しいです。
と、俗人のわたしは思ってしまいました
でも、詩心も一考の必要があるのではないかとも思った次第でした。