敷布の呟きポエム集から 秋 真夏の恋は 葉先に宿る朝露のような恋だった そんな恋を亡くしたのは 夏の終わり秋のはじまりの頃だった 暮れなずむ茜色の空を眺めながら 逝ってしまった恋の名残を探してみる 辿れどもその姿はどこにもない 燃えるような想い出の輪郭さえ幻 秋は日毎に深みを増している 逝ってしまった恋はもう還らない 紫敷布