2月14日
あの日は鉛色の雲が厚く空を覆い尽し雪が降っていた。
何故かあのうす暗い風景と絶え間なく降る雪を今でも確りと覚えている。
 
ユウちゃん、ジュンちゃん、
おとうさんがいなくてもおかあさんのいうことをよくきいておおきくなるんだよ。
紅葉の手のひらに大きなミカンを握らせて父が逝った日。
何故か家中がとても騒がしかった日。
 
お葬式の日は晴れていて雪がキラキラと眩しかった。
父のお骨を拾った日、あの光景は今も確りと覚えている。
2月14日、35歳で逝った父の命日。
あの日から67年、あの時わたしはまだ4歳半だった。
妹は3歳の誕生日4日前のことだった。
 
今わたしは父の倍の年月を生きている。
 
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