日暮れが早くなり 夜明けが遅くなり 秋は日一日と深けてゆく。
秋の夜長に今夜も一曲、中条きよしの「うそ」を聴く。
折れた煙草の吸がらで
あなたの嘘がわかる のよ なんて…… 何と洞察力の凄いこと
あー 半年あまりの恋なのに……
………女があとから なけるよな
哀しい嘘のつける人
一緒になる気もないくせに 花嫁衣装はどうするの
僕は着物がすきだよと
あついくちづけ くれながら
冷たい嘘のつける人
………ひとりの身体じゃないなんて
女がほろりとくるような
優しい嘘の上手い人
哀しいうそ 冷たいうそ 優しいうそ のつける人。
そんな人を想像してみましょうか。
山口洋子 作詞 平尾昌晃 作曲
この曲を初めて聴いた時の感動はじんと胸に迫りました。
中条きよし、歌は上手いし惚れ惚れするようなイイ男だし、
それもそうだけれど、山口洋子の詩、なんてしんみりと、女心を謳うのだろうかと
強く息を飲む思いをしたことを思い出されます。
ずばり女心を言い当ててます。恨みもなく、未練もなく。淡々と。
この3分間のドラマの主人公は、なんて素敵な女性なのだろうかとしみじみ感じ入りました。
折れた煙草の吸殻で、嫌味もいわずに相手の様子を読み取るなんて、
いい女といえる女性ですね。
山口洋子、この方天才ですね。何気ない言葉で粋な表現が凄い。
作詞家であり、銀座のお店○○のママでしたね。
何故かストレス解消に聴く一曲の「うそ」
私もいい女でいるために、素敵なレディババでいるために。
『う そ』
今夜も星空に吸い込まれるように流れています