阿寒国立公園 アイヌ部落の長
 iloveyouちゃん 

この宇宙空間の地球という星に人類が誕生して以来、我ら人類は古代より長大な歴史の中において、宇宙の尊厳であるべき平和を脅かし争いを繰り返してきた。侵略戦争、宗教間の争い、異文化間のわだかまり等々、争いの種は尽きなかった。そうして人類はかけがえのない尊い人命と、貴重な文化遺産を失ってきたのだ。この島国日本もかってはそうであった。戦国の時代があった。
そうして時は流れーー
大政奉還が行われ江戸時代が終わり、明治維新があり時代は移り変わり、尾張徳川家の一部は家臣と共に新天地を求め、蝦夷地開拓に生計の糧を見出そうと移住したという。
近代国家を目指していた明治政府は、次々と蝦夷地に開拓民を送り込み、先住民族アイヌの統治・同化政策を図り、日本人となること、そして日本語を強要し、アイヌ民族は文字を持たない劣った卑しい民族と蔑み、土地を奪い言葉を奪いアイヌ文化を否定して、先住民族の権利と尊厳を根こそぎ奪ってしまった歴史があるのだ。
蝦夷地は元よりアイヌ民族固有の領地であり、彼らのかけがいのない天地であったはずである。
2008年6月、アイヌ民族は日本の「先住民族」と国は認めた。
しかし、今更何をか言わんやである。過ぎ去った歴史は戻らない。
アイヌ民族からすべてを奪ってしまった罪は深い。
祖先が犯した罪の償いをしなければならない。申し訳なさと遺憾の念を持って償わなければならない。私たち日本人の責任として。
                    (自著書 エッセイ集より抜萃)

彼らを蔑んできた名残は未だ存在する!いわゆる人種差別である。
よその国のことではない、未だこの地に存在する事象である。
個々の当体として認め合わなければ平和はない。
まず目前を認めることから始めてみたいものである。

(領土問題において落ち着かない情勢にふと思ったものでした)