夕鶴のおつうは助けられたお礼にと、けっして見てはくださるなと言い
部屋にこもり機を織り目にも鮮やかな織物を仕上げた。

「決して見てはくださいますな」と部屋にこもり来る日も来る日も機を織り続けた。

おつうはじっと機を織り続けた。

わたしもキッチンに入り決して作るところは見てくださるなと言いたい。
見られては非常に困る。

今年は例年に無く松茸が豊作で安価でもあると言う。
が、しかし、かと言ってそうそう庶民の食卓に乗せられる代物ではない。

そこで私は一計を案じ、なんとか園のなんとかのお吸い物を用いて松茸ご飯を作る。
なんとかのお吸い物を炊飯器の中にダウンいれる。
そして「エリンギ」をそれらしく刻みそれも炊飯器にダウン投入
それで「松茸ご飯」モドキが出来上がるのである。
松茸を値切ったからあまり上等の松茸じゃなくて……と言いながら食卓に乗せる。

よって作るところを人に見られては非常に困るのである。
だから「おつうクッキング」なのである。

絶対人に見られてはならないのだ。