黒沢 明作品の代表作「生きる」を、DVDで見ました。


すごく「泣けて」しまい、でもさわやかな感じがしました。


「生きる」では、あの志村僑さんが、もう半年しか命ないことを医者から知らされます。


やけくそになった志村さん、飲めない酒を飲んでいると、メフィーストへレスみたいな伊藤雄之助さんが現れます。


「これから、あなたが無駄に使った人生を、取り戻しに行きませんか?」早速この誘いに乗った志村さん、東京のフーゾクに初めて経験するが、胃がんのため、すぐ吐いてしまう。家庭に帰っても、退職金目当ての息子は、志村さんの「死」を望んでいるようです。


ここで、「公務員やめたい」という女子公務員「小田切みき」が現れます。


彼女は、靴下も満足に変えない大家族の女の子です。これを哀れに思った志村さん、靴下を買ってやったら「うれしい、これだけでメザシ料理を我慢するの、省けるわ!」と。


仲がよくなった志村と小田切、でもあまりに年齢差があるので、そう付き合い切れない。でも哀れと思った小田切は、志村に向かって「課長さんも、何か作ってみたら!」


これでピンときた志村、公務員としての仕事を今までやってなかったことに気が付いた。


住民からの「児童向け公園を作ってほしい」これを他部署の決裁とすべきだとする公文書を、全部切り捨て、「市民課で行う(=志村のいる部署)仕事である」として公文書を勝手に決裁してしまう。


反発する市長、同僚の部下、ヤクザとかいろんな抵抗勢力を、全部敵に回して、残された命の半年間で全部やり遂げる。


「命短し、恋せよ乙女」と、勇気をもらった小田切に対して、冬の完成した児童公園でブランコに乗りながら、その命を終える。


だれも理解されなかったが、最後の最後に、「あの課長さん、命がけでやったんだ」と理解された。

 


涙なくして見れない映画です。