ペット保険は入るべき?〜獣医が忖度なしで考えてみる〜 | 意識低い系獣医inアメリカのブログ

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日本で数年動物病院勤務後、気づいたらアメリカで働いてました。
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→モチベは低めですが勉強意欲は増えてきています。09/13/2023

まず最初に結論・・・絶対に入るべき!(犬は特に)

ペット保険は安いところで月2000円ほど、高くても月5000円ほどします(動物のサイズ、年齢でもっと高くなります)。
月5000円と考えて、病気になるかもわからないものに年6万円も・・・と思うかもしれません。しかし一旦病気になってしまうと6万円どころでは済みません。手術になってしまったら最低20万円はすると思います。
自分でペット用貯金を月1万できる方や、緊急手術になっても30-50万をすぐ払える方なら保険は必要ないと思います。逆に生活が超豊かではない人ほど保険に入ることをお勧めします。


よくあるパターンが、病気が発覚してから保険に入る人。
病気発覚後に保険加入してもその病気は適応外です。獣医も診断日に嘘はつけないので諦めてください。膝蓋骨脱臼や臍ヘルニアは生まれつきのものが多いので初めて動物病院に行く前に保険加入しましょう。
また、外耳炎や異物誤飲・アトピー性皮膚炎は結構繰り返します(異物誤飲は病気というよりも飼育環境が問題ですが)。定期的に通院しないといけないとなると保険は超重要です。
保険証も可愛い赤ちゃん時代の自分のペットの写真が証明写真になります笑。数年後飼い主も獣医も保険証を見てほっこりします。
この病気例は犬のパターンになります。
猫の場合は少し違いますが、結果的に保険はお勧めします。関節炎・心臓疾患・腎臓病が遺伝的になりやすい純血(どの猫種かは明言しませんが)がいます。雑種でもその血が濃かったらなります。それ以外は中高齢になってから腎臓病のために保険に入る、でもいいかなとは思いますが、自分の愛猫がどの猫種の血が濃いかはいまいちわかりません。なのでほぼほぼ保険は必須かなと思います。

最後に保険加入者としてのトリックとしては、診察時に獣医さんに一言言うのがいいと思います。
「保険が一回の診察でいくらまでカバーしてくれるんで、診察代をそれ以内に抑えることができますか?保険の関係で毎回診断名が必要になってしまうんですがすみませんが診断名お願いします。」
この一言二言で診察代が結構変わってくると思います。もちろん薬処方の関係でオーバーしちゃうこともありますが、診察回数無制限の保険であれば細かく通って全額保険適応にすることも可能です(もちろん毎回診察代がかかるので手間と診察代次第ですが・・・)。獣医さんはペット第一で考えるのはもちろん、飼い主さんのことも考えているので保険の関係・経済状況・通院の大変さなどを直接伝えてくれることで治療方針の取捨選択をしやすくなります。
よく受付さんに言う方がいますが、受付さんは処方薬の数量を変えることもできないし病気の診断をすることもできません。しかも獣医さんが別の診察に入ってしまうと確認を取るのも予想以上に時間がかかったりします。獣医としても受付さんに申し訳ない気持ちになります。。。

保険の知識があまりない獣医さんは結構いるので「この病気は保険適応になりますか?」と聞かれても「なると思いますけど保険の種類によりますねぇ・・・汗汗」って感じになります。どの保険に入っている人が多いかとかどの保険が良さそうとかは受付さんの方が知っていると思います。患者さんとの雑談で入手する情報は受付さんがダントツです。