日本古来の表現として「万葉ことば」というのがあります。
万葉集に、でてくることばで雅(みやび)でとても好きな表現です。
J-POPを聴いていると、ときどき出逢います。
【波飛沫はぜるような】 波しぶきが、はじけ飛ぶさまを表現しています。
栗がはぜる 焚き火がはぜる といった使い方をします。
爆ぜる と 書いて はぜる と 読みます。
聴いていると頭の中で物語が展開します。
想い出の神戸の街で あなたへの手紙したためています。
【したためる】 書き記(しる)す ということですが、整理するという意味もあります。
手紙を書きながら、気持ちの整理をするということでしょうか。
日本語の表現には他の国には無いような独特のものがあります。
美しい日本語を大切にしたいですね。
なぜ、日本語の表現にこだわりがあるかというと、ずっと昔、高校生の頃、国語の授業でクラスで短歌を作り、人気投票をやったことがあるんです。
1位は私の作ではなく、東京ラブストーリーに出てきそうなトレンディな作品でしたが、国語の先生が私の作品を絶賛してくれたんです。素朴で情景が目に浮かぶと。
たそがれに 急ぐ学舎(まなびや) すすきのを
犬とたわむる 童(わらべ)が ふたり
夕方、自転車で塾に行くときに、近所の空き地で、犬と遊んでいる子供達を見かけたときの作品です。
もう何十年も昔のことなのに、日本語の美しい表現が好きで、詩や小説が好きになり今に至っています。
あのときの先生のことばがなかったら、こんなに文学や音楽に興味を持たなかったかもしれません。人を褒めること、これは今も私の心の中にあって、次の代へと受け継がれているようです。