『あの出来事』全16ステージ、無事に終演致しました。誰一人かけることなく。みんなで最後までこの長い旅路を走り抜けることができました。


翻訳の谷岡さん、演出の瀬戸山さん、主演の南さん小久保さん、合唱団のみんな、支えてくださったスタッフの方々


そして何より


御来場下さった沢山のお客様。


本当に本当に有難う御座いました!

(打ち上げで堰を切ったようにこの作品を一緒に作り上げた方々への想いが溢れて、感極まってしまいました。心の底から幸せだと感じました。)




今回は合唱団として関わることになり、いつもと全く違う経験をすることが多く、新鮮な気持ちで作品と向き合えました。今までの自分を省みることも多くてすごく充実した公演でした。

人生の先輩方に囲まれながらの稽古場に、最初のうちは緊張こそすれ、次第に家族のような落ち着ける場所になっていきました。

本当に大好きな方々です。





この作品の題材となったノルウェーウトヤ島で起こった銃乱射事件。

多様化する現代社会を生きる僕らにとって、それは決して無視できない出来事で、明日自分の身に起こり得る、誰もがクレアとなり得る、少年にだってなり得るかも知れないから。




だから考えなくちゃいけない。



どう生きるかを。



どう向き合うかを。




自分自身も怪物にならないように。
深淵を覗こうとする時、こちらも覗かれていることを忘れないように。

少年と対話をしようとするクレアの姿はその葛藤を抱えていて、でも最後の最後に取ったクレアの行動は、深淵にまさに今、落ちようとする瞬間に咄嗟に掴んだ崖のように僕には映りました。




失われた尊い命。
実はその存在を感じる瞬間があって。
今思えば、僕らが歌う合唱の歌声は、クレアを支え寄り添い。ときに少年を包み込みながら、その失われた命を癒してくれていたならいいなと、思っていました。



今なお世界では沢山の惨劇が繰り返されていて。
暗いニュースがいつも世間に流れ続けている。



でも、


この舞台『あの出来事』が遠く8000km離れた異国のノルウェーウトヤ島と僕を繋げてくれたように。


誰かの想い誰かの願い誰かの祈りが、連なって、連なって、この地球の裏側にだって届いて行く。
 

‪その絆こそが世界を変え得る何にも代え難いヒトの力なんだ。



チンパンジーでもボノボでもない、僕らのDNAの2%のヒトの可能性はきっとその絆なんだと。



願わくば、この作品が、この作品に詰まった人々の想いが、誰かの心に連なって世界を変える力にならんことを。







南舘優雄斗