「ムーンライト」見ました。
ララランドがアカデミー賞を取るだろうと思っていたら、横からかっさらっていったかのように思っていた今作(まさかのハプニングもありましたが苦笑)

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あまり下調べはせずにいったのですが見応えある作品でした。黒人街、同性愛、ドラッグ。アメリカが今抱える問題を、1人の人間が子供から大人になる過程を通して描き出す今作。衝撃的なシーンも多かったですが、主人公へ最後まで寄り添って見届けることができました。

断続的に描かれる大人への軌跡は空白部分をあえて作ることで見る人それぞれに空想の余地を与えて、一本の映画でありながら、主人公に久しぶりにあったという感覚を覚えさせる。

シャロンやブラックにリトルの面影が見える瞬間どうしようもなく切なくなってしまう。底知れぬ海のような彼に自然と惹かれていたのに終わってから気づきました。

勢いという意味ではララランドに分があると思いますが、今この作品がアメリカで作品賞を受賞したという事実も中々に考えさせられるものがあります。抑圧する社会への反抗ではなく、愛を持って寄り添う作品であることも社会の変化なのでしょうか。

白人でない同性愛というと「ブエノスアイレス」を思い出したけれど、どうやら今作にもオマージュがあったらしく、またしっかりと見直したい一作でした。

優雄斗