「成瀬は信じた道をいく」と「成瀬は都を駆け抜ける」は、宮島未奈著のエンターテインメント小説で、成瀬あかりとその周囲の人間の心の模様を描く。「成瀬は天下を取りにいく」の第二弾及び第三段で、それぞれ2024年及び2025年の作品。
シリーズ第一弾の「成瀬は天下を取りにいく」が面白かったので、一気に最終巻まで読んでしまった。
面白いかどうかでいうと、非常に面白い。
好きなストーリーかどうかでいうと、非常に好きなストーリーである。
以下、若干ネタバレを含みます。
第一弾は、「頭は良いが、ちょっと変わった子」を取り巻く周囲の女子たちのリアルな心のうちを表現したもので、みんな友人関係や対人関係に悩みながらもなんとか生活をしているなか、主人公の成瀬あかりと関わっていくことで自分を取り戻していく、というような話であった。
第二弾は、それが次第に輪になって広がっていく話で、
第三弾は、それがさらに広く・強くなっていき、名前のとおりに成瀬あかりに関わった人達を明るく照らしていく、という話であった。
小難しいことを考える暇なく、成瀬ワールドに惹きこまれていき、気づけばあっという間に2冊を読み終えていた。
読後感も非常によく、これはぜひ、周囲の人にお薦めしたい。
出てくる場面も、関東在住の私にとって普段経験できないどころか、考えもしなかった京都大学の学内や学生の様子や、京都・滋賀・びわ湖周辺の景色や人間模様などがわかりやすく描写されており、例えば疏水船にはぜひ乗ってみたいと思った。
「成瀬三部作」は、「成瀬は天下を取りにいく」を以ってシリーズ完結とのこと。
確かに、下手にズルズルと続けるよりは全然よく、思いっきりがよくて清々しい。
本著者、宮島未奈氏の別の作品もぜひ、手にとってみたいと思う。

