2012山陰23 アクアス~浜田 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

 

8/14(火)③

 地図を確認すると、海岸の方には水族館「アクアス」がある。水族館と聞くと行ってみたくなるものだ。動物園や美術館の場合もまた一緒。


 向かう途中、大規模なゴミ処分場の、「クリーンセンター」向かいに格好のテン場を発見。公園という位置づけのようだが、付近に人家もなく、およそ使われている感じがしない。おまけに四阿もあり、しかも乾いた感じが好ましい。大体、ゴミ処分の施設やダムなど、地域に負荷を与えそうな施設には、隣接して公園が造成されるケースが多い。地域へのサービスといってもいいが、行政側の後ろめたさの表れ、というのがより的確な表現だろう。


 クリーンセンターから下ること2キロ足らずで水族館、駐車場の車の数を見ると、かなり混んでいる様子が窺われる。この季節限定の、「小中高生無料」というキャンペーンが効いているようだ。思ったより大きな施設に見える。この水族館の一番人気はシロイルカのバブリング、しかし、さすがにこれには待ち時間が発生していて、すぐに諦めた。

 

こんなのが・・・

 

 オオサマ、フンボルト、イワトビなどペンギンの種類が多く、「空飛ぶ」とまでの仕掛けはないが、見応え十分。全体に水準以上の施設と表現していいが、巨大な水槽にジンベエザメ、というような話題性がないと、人を寄せるには難しい時代になってしまったのかも知れない。

 

どういうわけか水族館での写真はこれ一枚のみ


 水族館を巡る間に、にわか雨。おかげで車のボンネットに干しておいたサンダルは、またしてもずぶ濡れ。


 昼食はガイドブックに載る、浜田駅前ステーションホテルの海鮮料理「漁火」へ。駅前の商店街は、予想に違わずシャッター通り、こりゃいまいちか、と思ったが、料理は大変おいしく、いい店に当たったようだ。時刻は入店時すでに2時半を回り、昼の営業は3時までだったから、危ないところだった。

 

            「漁火」での食事は大変良かった


 ここに来て、章子の体調がもう一つ優れないようだ。それでは、と今晩はホテル泊まりにすることで意見の一致をみた。昨夜は夜中にあんなことがあって、あまり眠れなかっただろうし、このところの天候の不具合には泣かされっぱなしだ。野営は条件に左右されるが、宿に泊まる方が体への負担が少ないのは目に見えている。


 駅前にはいくつかホテルがあるが、ワシントンホテルに行ってみた。フロントに聞くと、結構高い値段が提示される。お盆の最中だし、仕方ないかと思ったが、ダメ元でロビーのパソコンから、いつも使っている旅行サイト「じゃらん」に行き、プランを見ると、なんと2000円の開きが出た。すぐにその場でWEBで予約、この当時、章子は1台目のスマホを使いはじめていたが、これまでホテルの予約などしたことはなかった。


 浜田駅から車で5分ほどの高台には、「浜田市立世界こども美術館」がある。「企画展(¥500)は面白く、こどもを連れてきたら楽しいだろうな」とメモが残っているのと、色紙を使い、何か楽しげに作業している写真もある。

 

体験型の企画!

 

階段の壁には保育所や幼稚園で園児の作った作品が!こども美術館の名は伊達じゃない

 

 具体的なことは、すでに記憶が曖昧だが、美術館のHPから当時の企画展を調べてみたら「夢現代∞美術展」と銘打って、参加体験型の展覧会を開催、とある。何人かの現代美術家に依頼して作品を寄せてもらっているらしい。夏の恒例ということだから、夏休みの期間、毎年こどもたちが参加して楽しめる企画展を開催してるみたいだ。常設展示は無料で観覧できる。

 

ムゲンダイ美術展のポスター(HPより転載)


 この区画には公園、グラウンドや島根県立大学のキャンパスもあり、こどもたちの学習・生活環境として大変いい条件を備えていることに、うらやましいくらいの気持ちを抱く。翻ってわが埼玉は、とはいつも思うことだが、それでもこの地方からは首都・近畿圏への人口流出が止まらないと聞く。何とかならないものだろうか。


 ホテルにチェックインして少し休むことにした。やっぱりこうして部屋が確保できるのはありがたい。 


 暗くなってから、ホテルでおすすめの店を教えてもらい、出てみることにした。幸いなことに雨は落ちて来てはいない。一軒目の店はあいにくお休み、じゃあ次は、とパーキング裏の公園を通りかかった。そこでは質素な盆踊り大会が開かれていたが、亡くなった人の遺影を掲げ、近くの店からの出前を取って、という形。元来、盆踊りってこういうものだったのだろうな、という、その原型を見たような思いだ。


 もう一軒のおすすめ「匠宝」へ行ってみると、店の外に人だかりがあって、聞けば今晩は予約でいっぱいだと。何としたことか、昼間の閑散ぶりとは大違い、きっとこの、お盆の数日間の賑わいだろうが、これには驚いた。


 結局、昼と同じ「漁火」に行く羽目になったが、章子のメモに残る記述はこうだ。「どの店もいっぱいで、結局、お昼に入ったホテルの漁火へ。カニ天、たこ唐揚げ、刺身盛り合わせ(¥800は安い)カルパッチョ(オリーブオイルがおいしい)、ノドグロ煮付け(¥1200は安いかも、やっぱりおいしい)。お酒が少なかったこともあり、これだけ頼んだのに6000円までいかず。浜田はレベル高いのかも」。

 

結局、昼と同じ店だったが、大正解!


 テレビでは、大阪、浜松などでの浸水、高知で竜巻、広島では連日の豪雨と、大変なニュースが目白押し。それと比べれば、我々はまだラッキーな方だろうか。

 

 


2012夏 山陰の旅第2弾 24につづく