2022G.W.の木曽路 序章~出発 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2022G.W.の木曽路
序章~出発

 今年のゴールデンウィークは、後半の5/3から旅に出ようと計画した。世間では最大10連休とかで盛り上がっているようだが、常に暦どおりの公務員には無縁の話だ。

 脳卒中の入院からおよそ1年半、大分回復したとはいえ、利き腕側の左半身には依然マヒが残る。コロナ禍もあってほぼ2年ぶりのテント泊、ペグ打ちがちゃんと出来るだろうか、という不安はあるが、まあ、やってみるか、という気持ちになってきた。

 ところがである。出発の前々日のこと、突如ケータイがSIMカードを認識しなくなる、というトラブルに見舞われた。閉店間際のK'Sデンキに駆け込んだが、こんな場合、SIMを交換すれば直るだろうという店員の見立て。ここではそれが出来ないから、楽天モバイルの代理店へ行く必要がある、ということだった。

 幸い翌日は午前中仕事が空いていて、楽天モバイルショップは、職場近くに見つかった。これでSIMを交換すれば解決、と高をくくっていたら、やってみても症状の改善はみられない。店員から、保証期間を過ぎているので機種を交換して、新しく契約するしか手がありませんと宣告されてしまい、その言葉に従う以外、なんとも手の打ちようがなかった。


5/2(月)
 この日は「まるひろ文化祭」の搬入日。地元の百貨店「まるひろ」が市内の高校に声がけして、展示や舞台発表をする催しである。本来、搬入は火曜のところ、無理を言って一日早めてもらった。前のイベントが片付き次第、作業が可能ということだったが、授業が終わる頃には、雷が鳴り始め、雨が降り出した。幸い、つれあいの章湖に車で来てもらって事なきを得たが、書道部員4人と行った展示作業に手間取り、早く出ようというもくろみは崩れた。


書道部の展示はこんな感じ


 3日になってしまうと、朝から渋滞は必至、だからこの日の夕方出発しておいて、とりあえず比較的近場の、慣れ親しんだテン場に泊まるというのが、首都圏からうまく抜け出す、我が家の常套手段である。

 帰宅して、シャワーだけ浴び、すぐ出ようと思ったところが、新しくしたケータイのダウンロードに思いの外時間がかかり、しかしこればかりはもう、じたばたしても仕方がない。結局、出発は19時を少し過ぎた。

 当初は白州にある定番のテン場、「クロネコ」まで行って宴会やろう、というつもりだったが、この時刻になるとは思っていなかった。案の定、というべきか、高速に乗ると、章湖はしきりに空腹を訴えたが、無理もなかった。

 談合坂SAに寄ってみると、カレンダーでは平日だが、さすがはゴールデンウィークの最中、駐車場に全く空きが見あたらない。びっしり車の入った駐車場をそろそろと進んでいくと、もう本線に出てしまう、そのちょっと手前に、やっと斜線のスペースを見つけ、なんとか車を入れた。近頃、これほどの混雑に出会ったことはない。したがってフードコートに席を見つけるのは困難と判断、章湖が売店で選んだサバ寿司を、車内でほおばる羽目になった。

 韮崎ICで降りるとすぐにあったス-パーオギノだが、閉店まではあと15分ばかりある。これ幸いとビールやつまみ、そして翌日の朝食を買い込んだ。


買い込んだのはこんなもの。すべて割り引いてあるものばかり

 「クロネコ」と呼んでいるのは白州、神宮川ほとりにある草地、我が家では重宝しているテン場だ。初めてここに来た時、足に絡んできた幼い捨て猫がいたことからこの呼び名がある。

 

これが最初に「クロネコ」を発見したときだ。2013年のことである。この子には残っていたミルクをあげたが、まだ固形物を食べられるところまでは育っていなかったから、生き延びているとは考えづらい

 

 ここにはバイクのソロキャンパーがテントを張っていたが、一番奥の、我々の定位置は空いている。しかもここの地面は柔らかく、ペグ打ちに苦労はなかった。

 テントの中で、持参のウイスキーとビールで小宴会、もう20数年来、ずっと続けてきたテントの旅を、昨年はとうとう一度もやらなかったものだから、本当に久々、という実感はあった。

 おそらく、標高が600メートル前後あるかというテン場は思いの外寒く、厚手のシュラフを持参したがよく寝られなかった。



2022G.W.の木曽路2 朝のクロネコにつづく