2023大阪の旅50
「適塾」
1/8(日)
フロントにキャリーバッグを預けてしまい、すっかり身軽になった。今回、初めて往復宅急便というサービスを利用しているが、こんな旅には最適である。チェックアウトを済ませ、5泊も世話になったホテルとは、これでおさらばだ。
さて、御堂筋線は昨日の全面運休からは回復していて、一安心。それじゃあ、淀屋橋まで歩こうか、と、土佐堀通りから一本南側の通りを西に向かった。前にも書いたが、かなり遠い記憶ながらここを一度、歩いたことがある。中之島の東洋陶磁美術館を訪ねた後だ。
2024年4月12日リニューアルオープンということだから、また行ってみねばなるまい
あの時は、日本橋に出来たばかりの、三井記念美術館に出陳された「安宅コレクション」を観て、東洋陶磁美術館の存在を知り、これは一度行っておかねば、と思ったのだ。
この展覧会を見て、東洋陶磁美術館に行こうと思ったのだった。2007年のことだ(三井記念美術館より転載)
さて、その折の記憶通り、緒方洪庵の「適塾」がこの通りにあった。単に蘭方医だけではなく、明治維新を推進する人材を数多く輩出したというこの施設は、江戸時代の船場を再現した、大阪歴史博物館のジオラマにあった建物とすっかり同じ建築様式。
緒方洪庵の適々斎塾。通称「適塾」
瓦屋根の中に突き出したテラスがあるが、物干しはあそこでするのだろう、大変合理的な設計と思う。
緒方洪庵像。その上には写真では切れてしまったが、物干しのテラスがある
「適塾」のある内北浜通の歩道にはこんなところも
その先にまた、ほぼ同時期のものと思われる木造の歴史的建造物があるが、こちらは更に敷地が広く、板塀が一つ南の通りまで続いている。
こりゃなんだかスゲえ、と思った
へえ、何だろう、この構えじゃ超高級料亭だろうか、などと板塀沿いにずっと行ってみると、案に相違して、ここは「大阪市立愛珠幼稚園」。この看板とともに「銅座の跡」という石碑もある。かつての銅座跡に建てられた幼稚園だが、明治34年の竣工というこの建物はまた、重要文化財に指定もされている。中が窺えないのは残念だが、こんな幼稚園があるとはびっくりだ。
もとの「銅座」。重要文化財の幼稚園なんて初めて見た
この通りを御堂筋の方に歩いて行くと、日本生命本社ビルには「懐徳堂」旧址の碑が立つ。土佐堀通り、道修町と合わせ、このあたりをくまなく探ったら、半日では済まないくらいの、史跡探訪ツアーが成立しそうだ。
日本生命本社ビルにある「懐徳堂」旧址の碑
2023大阪の旅51 「哲ちゃん」のクルマにつづく