2023大阪の旅18 国立国際美術館 新収蔵作品 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2023大阪の旅18
国立国際美術館 新収蔵作品

1/4(水)⑩
 さて、ボトムのB2Fに一つだけ企画展以外の、新たに収蔵した作品があるというのでエスカレーターに乗った。2館にわたる具体美術協会の展示をなんとか見終え、ひとしきり休んでからのことだ。

 

 エスカレーターから降りてすぐの、さほど広くはない一室にあったのは、巨大な女性の首から上が片面半分ほど造形され、土くれの上に斜めに立てかけられた彫刻作品だった。頭からブランコのひものようなもの?が掛かっているところに、また謎めいたものが漂う。ひび割れも相俟って質感は乾いた土そのもの、その目は閉じられ、瞑目しているのか、あるいは眠る姿か。廃墟に残された彫像、あるいは発掘された遺跡、それとも未完成のままうち捨てられた彫刻であるかのような連想を呼ぶ。


国立国際美術館新収蔵作品として展示してあったのがこれ

 目にした当座、さほどの印象がなかったのだが、そのうちにじわじわ気持ちにしみこんできた。何だろう、この感覚は。意味をこちらから探しに行かなければならない抽象作品ばかり見てきた目に、まあ、これは具象が8割というほどの彫刻。こっちの方が見るのに楽、というのは変だが、具象の作品には、向こうから語りかけてきてくれるという、そんなありがたみがあるようだ。何という作家の作品か失念したのは痛かった。


※後からこの作品のことで手がかりはなかろうかと、国立国際美術館のHPを訪ねようとしたら、マイクロソフトエッジ、グーグルクローム共に、危険なサイト、ということでブロックされてしまった。仮にも、国立の施設だろ。こういうのははなはだ困る。文部科学省に電話をかけ、改善を要求しようとしたが、オペレーターが出てから関係部署になかなか繋がらない。15分待って諦めた。

 

すでに「危険なサイト」ではなくなっているようだ

https://www.nmao.go.jp/

 

 あれこれ調べてみたら、これは“マーク・マンダース”の作品。知らなかったが、一昨年東京現代美術館で、この人の大きな展覧会が開催されていたらしい。惜しいことをした。

 

 

東京都現代美術館での展示風景。国立国際美術館での展示を批判している記事を見かけたが、そこで指摘していたのが、床に落ちた土塊の粒のようなものがすっかり省略されているところ。なるほど、と思わせる視点である

 

 


2023大阪の旅19 中ノ島~西梅田につづく