2015春の琵琶湖18 再び長浜の街 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2015春の琵琶湖18
再び長浜の街
 
4/4(土)⑦
 鮎茶屋ですっかり満腹になって、自転車をこぎ出すとすぐ、田圃のきわを流れる小川の岸にカラシナの群落が目に入った。まだ花の咲いていないものがあったので、夜のおかず用にいくつかつまんでおく。

 

カラシナを摘む


 なるべく路地を選んで、再び長浜の商店街を目指した。幹線を外せば車の通りはまばら、自転車で快適に走れる。

 ヤンマーの工場脇を通過している時に、章子が目に何か入った、というので見れば、右目の中に小さな虫が。近くに水道の設備があるはずもなく、といって指をつっこむわけにも行かず、どうしようかと躊躇していると、章子が、こういうときは舌でとるんだ、というので、もう一度瞼をまくって右目を見ると、今度は虫が見あたらない。幸い、そのうちよくなってホッとしたが、目薬を持っていたんだから点せばよかったろうに。

 長浜の街に至るまでに、琵琶湖へ注ぐ水路をいくつか越えるが、そのうちの一つに大きなブラックバスが2尾、悠然と泳いでいるのが見えた。一匹は4~50センチ、もう一匹はそれより二回りほど小さいものだったが、他の水路ではルアーを振っている人たちも見かけたので、かなりの数が生息しているのだろう。いずれにせよ、川と呼べるような姿ではなく、水路と言わざるを得ない、護岸の造作が残念。


琵琶湖へ注ぐ水路。これは亀だが、でかいブラックバスが泳いでいた

 再び商店街にはいると、丁度曳山が3台、集結しているところに出くわした。マイクで女性の司会者が実況のアナウンスをしているところを見ると、ここは今日のクライマックスといったところだろうか。ここにはカラー写真とともに曳山の解説がフリップになって出されてもいる。全部で13台あるそうだが、今日曳き回されたのはそのうちの4台という。ここにある3台はいずれもいわゆる普通の山車の格好、午前中に見た舟形のものはない。ということはこれで四台すべてに行き会ったことになる。ここで曳山は一旦格納され、一週間後の本番に備える、ということになるようだ。


見かけた山車の数々


 商店街の向こう正面に大きな山門の屋根が見えてくる。大通寺である。以前にも来たことがあるものの、この山門の巨大さには圧倒される。境内では馬酔木展を開催中だが有料、そんなわけでこちらは遠慮しておくが、本堂は自由に拝観できる。格別の文化財がないにしても、本堂の中に入れるというのはいい。宗教的な立場からしてもご本尊を間近に拝む、ということには意味があるのではないか。山門のみならず伽藍も大きく、そして寺域は広い豪壮な寺だ。


大通寺山門は偉容

 寺を出て、門前を少し外れたところには水路が流れ、そこに咲く桜が美しい。桜の傍らにはなにやら祠もある。水の近くだったら弁財天だったか。あるいはお稲荷さんか。既に記憶が曖昧である。


こちらは弁天様か、はたまたお稲荷さんだったか

 寺の塀に沿って裏側に回ると、ここが公園になっていて、大きな池がある。水源は湧き水のようだが、しかしわずかに白濁している様子。魚の影が見えないのは不思議なくらいだが、どう見ても、元は大通寺の寺領だろう。しかし寺とは柵で完全に仕切られていて、行き来は出来ないようになっている。見た目には池があるのみで、素っ気ない公園。少し手をかければ、もっと素敵な庭園になるだろうに、せっかくの資源なのにと、もったいない気がしてならない。

 門前から続く商店街に戻る。ここでちょっと一息、入った古民家風のカフェは「バール・ジラソーレ」という店だ。その名の通り内装は洋風の造作だが、店の奥には坪庭、こういうところに文化の集積が感じられる。いつもそうだが、旅のメモは書くことが多すぎ、なかなか追いつかない。



バール・ジラソーレにて


 ここでゆっくりした後、夕食の材料を求め、長浜駅前に向かう。駅のロータリー向かいのビルにあった記憶のヘイワドーは閉店、はす向かいのフレンドマートの場所に移った格好のようだ。よくある駅前の再開発計画だろうか。



2015春の琵琶湖19 豊公荘につづく