2022金沢15 ひがし茶屋街2 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2022金沢15
ひがし茶屋街2

1/5(水)
 ひがし茶屋街のメインストリートの隣、浅野川寄りのこの通りには、おしゃれな小物を取り扱う店があった。そう広いとはいえない店内だが、金沢らしい雑貨があれこれと並ぶ。その中にあった、九谷焼の陶器を印刷した紙皿は、なかなかのアイデアだ。

 通りをしまいまで行って、ひがし茶屋街の一番奥に出た。すぐにあるのが件の「照葉」、もちろんまだ昼前だから、格子戸は閉まっている。章湖のメモには「こんな小さな店だったっけ」と残されていたが、もう一度、この店の暖簾をくぐることがあるだろうか。

 やはり何度来てみても絵になる光景、北陸の小京都を代表する景観であるが、まだ正月の名残か、休業の店が多い。金箔ソフトを食べる!と意気込んでいた章湖だが、冬の寒さにその気が萎えたようだ。


金沢を紹介するメディアでは必ず取り上げられる「ひがし茶屋街」。フォトスポットとしては勿論ピカイチ!

 今度は先ほどとは反対側の路地に足を踏み入れる。不覚にもこちらを歩いたことがなかったようで、伝統家屋を利用した、工芸品のお店が多いのに初めて気づいた。



上の写真から一本ずれた通り

 

 覗いた一軒目は、建物が複雑な作りの木造家屋、ぐっと奥の深いこの家、元は何だったのだろう。ここは細かい細工の装身具や、セレクトされたお土産が並ぶ店、事情通といった感じの店員さんとしばし立ち話。お勧めの寿司屋の情報など、ナマの口コミは貴重だ。ここでは、砺波のウイスキーメーカーの仕込んだ梅酒と、近くで生産しているというビーフジャーキーを買った。


これがその店の入り口

 この何軒か先にある、工芸品のギャラリー、ここではかなり高価なものも扱っているが、細密な絵付けの陶器など、素晴らしい出来の作家ものが多く、下手な美術館に入るよりずっと楽しい。


このギャラリーは楽しかった

 こんな路地裏歩きは興味深いものだ。超有名な観光地といっても、一歩裏に入れば、観光向けばかりではない表情を覗かせるもので、それらが入り交じったあたりがいい。

 さっきの店員さんとの話で、話題に出た「金福」という寿司屋があった。近くに新しく出来た店、私はまだ行ってみたことないけど、ということだったと思うが、いずれにせよ、人が入っている気配がなく、寄っていくのはやめた。客がいないのは、まだ少し早い時刻だったからかも知れないし、入らなかったのは朝方、近江町市場で寿司をつまんできたから、という可能性もあった。この店は回転寿司ということだったが、既存の木造家屋を活用した、このようなあり方が、やはり風情があっていい。


「金福」の外観。ここはホテルらしい(週末、金沢。より転載)

 裏通りにある金箔工芸の店を覗いたり、大通りに面した土産物屋さんに入ってみたりと、何を買うという目的があるでもないが、「行き当たりばったり」という言葉もあるくらいだ。面白いことに出会わないとも限らない。



2022金沢16 HATCHiにつづく