2022金沢7 金沢市民芸術村 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2022金沢7
金沢市民芸術村

1/4(火)
 金沢市民芸術村は、広大な紡績工場の倉庫跡地をリニューアルした展示施設という。ここでは今、金沢美術工芸大学卒業制作の歴代優秀作品、すなわち大学買い上げとなった作品の特集展示をやっている。もう昼飯は一旦さておいて、という気持ちで来てみたが、入り口近くの風情あるレンガの建物が、実はレストランと認めるや、途端に腹が空いてきた。


おお、レストランだ!


 すかさず入ってみると、すぐに席に着くことが出来た。先客は家族連れが何組か、内装の雰囲気もいい。奮発して、ちょっと値の張る方のコース料理を注文、メインの牛肉は柔らかく、パンもおいしかった。


昼は寿司の予定だったが・・・まあこれもいいや!

 数年前、隔年で2度行った台湾で、2つの「文化創意園區」という施設に出会ったが、これが日本統治時代のたばこ工場と、酒の醸造所をリニューアルした、文化・観光の複合施設だった。

 

 

 

それと同じように、ここもレトロな建造物をうまく活用していたが、この芸術村にあるレンガの倉庫をはじめとする建築群は、それだけでも大変重厚な歴史的建造物といって差し支えない。展示館の他にも舞台芸術や音楽のスタジオなど、多様なニーズに応えられる施設がある。どれもかつての倉庫を改装したというが、中身は単なる倉庫だったとは思えない多様なデザインが楽しい。しかし、市民向けの貸し出し用施設、という趣が強いようで、観光を視野に入れた、という感じはそれほどない。


これは壊したらもったいない!

 

元の工場は、多様なニーズに応えられる施設へと変貌


 さて、お目当ての展示だが、絵画や立体も交えた多様な作品が、一部に階段を上る舞台状の高台がある会場に配置された、なかなかに面白いものだった。大学の卒業制作だから、質的にそれほどのものでないにしても、具象から抽象、コンセプチュアルなインスタレーションまで、若い情熱が感じられる作品群だった、と表現しておこう。年代的には1960年代くらいからの幅広い作品が展示されていたように思い出す。


若い熱気の溢れる作品群


 グラウンドと言ってもいい、広い芝生の庭を備えたここは、職人養成の工房も備えているようで、なるほど漆塗りや蒔絵、そして織物、箔工芸に九谷焼といった、工芸の都市金沢にふさわしい施設と見受けられた。

 しかし、寒い。気温の低いのに加えて雨がそぼ降る天気、駐車場に戻るまでにあちこちの建物を眺めては写真に撮り、しまいに広場を横切ることになったが、7割方は外にいたせいで、すっかり体が冷えた。



しかし、寒い!!


2022金沢8 国立工芸館につづく