2016 紀伊半島の旅47 広川ダム上のテン場 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2016 紀伊半島の旅47 

広川ダム上のテン場

 

8/15(月)⑦
 今晩は興国寺の火祭り見物だが、少しでも条件のいいテン場を探そうと、車で探しに出て、興国寺からは山をかなり下った。そんなに標高のあるところ、という認識はなかったが、こうしてみると標高差はかなりある。しかし、近くには中々いいところが見つからない。山あいの、耕作地がぽつぽつある集落という立地なので、そのくらいの隙間はすぐに見つかりそうな感じはするのだが。


 そうこうしているうち広川ダムの看板を見つけ、ダム付近にはテン場適地がありそうだ、という、当てにならない勘を頼りに行ってみることにする。さっき抜けてきたトンネルの向こう、つまり北側が広川町、それを東側から山を回る格好になるので、興国寺から近いとは言えないが、この際仕方がない。


 途中にあった「ほたる温泉」は、駐車場が車で埋まっている。テン場の近くに風呂があるのはありがたいが、この混雑を見ると気が萎える。


 広川、という名前からするとずいぶん小さな川だが、ダムは中々に本格的である。ダムサイトの近くにはよくある公園もここには見えず、こりゃ、ダメかな、と思いつつも上流側へ走る。しばらく走って、もうここは諦めるようかな、と思い始めた頃、立派なトイレが道端に現れ、その手前から谷筋へ下りる道をたどると、川遊び用に作られたと思しきパーキングがあった。


 きれいな水の流れる谷川のほとりに造られた駐車場だが、下流側には川へ下りる坂道が付いていて、先客の家族3組ほどが川遊びを兼ねたバーベキューを楽しんでいる最中。そろそろ終わりと見えて、一台の車は荷物をまとめて先に帰って行った。

 

                 魚影が見える川でテンカラを振ってみた


 上流側の川を覗くと、魚が群れをなして泳いでいる。時折、キラッと石の上で身を翻すような動きもあり、もしかして湖産のアユも混じっているのかな、などという思いが頭をよぎる。テンカラの仕掛けを今回持参しているので、ちょっと竿を振ってみる気になった。


 章子はいささか疲れたようで、助手席で一寝入りしていたが、その間に竿を振ると、群れの魚の正体はどうやらカワムツ、いくつか毛針をくわえた間抜けな魚がいた。

 

                間抜けなカワムツがいくつか毛針を咥えた


 駐車場の端っこはテン場に最適、おまけに上のトイレに谷川の水を送るポンプが稼働していて、余分な水がタンクから放水されている。これは洗い物をするのにも便利、至れり尽くせりとはこのことだ。今は暑いが、標高も少なからずありそうだから、きっと夜になれば快適に寝られるだろう。

 

            テン場の上手には、何か会社の施設?犬に吠えられた


 先客が帰ったあとに現れたのは、犬を連れたご夫婦、興国寺の火祭りの事を話したが、とんと知らない様子、この人たちはダム下の集落に住んでいるようだった。ここからだと、興国寺は近いとはいえないし、平野部ならいざ知らず、山に隔てられた異なる地域の事となれば無理もなかろう。


 以前、国民宿舎の「湯浅城」で風呂に入った覚えがあるので、まずは偵察に行ってみると、ここはちゃんと営業していた。この時期なので宿泊はたぶん満室、今は混んでいるだろうが、食事の時間になれば風呂は空くと読んで先に買い物。湯浅の街中にある「オークワ」に行き、夕食は火祭りの始まる前に手軽に食べられそうな、寿司を中心に買い込む。ノンアルコールビールもこの際は必需品である。

 

 

 6時過ぎに再び「湯浅城」、もくろみ通りに風呂は空いていて、ゆったり。浴室から見える夕日が美しかった。

 

                  湯浅城(湯浅城公式HPより転載)


 若干時間があるので、冷房の効いたロビーで一休み。ここにはテレビもある。ホテル泊まりなら、こんなのは別に珍しい事でも何でもないが、我々のように泊まり場を探して放浪するものにとっては、これが貴重な時間だ。章子のメモには「数十円の違いで、今日は超快適」と残っていた。440円の銭湯との比較である。ここの売店では梅干しを買った。


 

2016 紀伊半島の旅48につづく