2015夏の北陸4
道の駅平湯
8/9(日)②
長い安房トンネルを抜け、目指す高山とは方向の違う、右に折れた先にある「道の駅平湯」に一旦車を入れ、しばし休憩を取る。この辺りの標高は一体どのくらいあるのだろう、下界の暑さが嘘のよう。気温は20度を下回り、半袖でじっとしていると肌寒いほどだ。何となく腹は減ったが、ここでしっかり食べてしまうと昼食に響くだろうとの懸念が先立ち、売店にお団子と、「ケーちゃんの唐揚げ」というものがあったので、とりあえずそんなもので誤魔化すことにした。
あれ、道の駅だとばっかり思っていた。場所はここ
「ケーちゃん」とはこのあたりのB級グルメで、鶏肉をたれに漬けたものが、岐阜あたりのスーパーには普通に置いてあり、キャベツなどと一緒に炒め煮にして食べるのが一般的なようだ。
レストランの外にある席に座ったが、時刻はまだ9時前、食堂にいた先客は一組だけ。
道の駅駐車場の裏手には森が広がっている。遊歩道がついていて、章子はここを歩いたことがあるという。鳥がたくさん観察できるというので、歩いてみることにした。植生は高地らしい感じで、林床には笹が生い茂っている。
木立に足を踏み入れるとすぐ、キノコが出迎えてくれた。チタケだ。色が少し淡く、黄土色に近かったが、ビロード状の傘、ヒダからしみ出す乳液、それに間違いない。チタケは栃木県に限って、異常な人気を持つキノコだが、単体として食べても、肉がぼそぼそした舌触りで、さして旨くはない。しかし、これをうどんそばの出汁として使うと、他のものではまねできない香りとコクが出て、根強い人気を保っているのだ。
栃木県では人気のキノコ「チタケ」
チタケとしては大ぶりのをまず2本ゲット。しばらく歩いても、鳥の声はほとんど聞こえず、当初の目的は達することが出来なかったが、その後もいくつかチタケを拾うことが出来、大小十数本を収穫。せっかくだから、今晩何かこれを生かせる料理を、と考える。さて、何を、とあれこれ候補を出した挙げ句、すき焼きにしよう、と意見の一致を見た。
2015夏の北陸5 ひるがの高原SAにつづく