2019春の富山15 高岡市立美術館~イオン | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2019.4/1~6 春の富山 その15
高岡市立美術館~イオン

4/4(木)⑤
 駐車場に戻ると、ここから幹線の向こうに渡る陸橋が凝ったデザイン、こんなところにも金掛けてるんだなあと感心しつつ渡ってみる。市立美術館の場所を確認したかったからだが、丁度通りかかったおじさんに聞くと、幹線を道なりにカーブしていくとある、と教えてくれたが、この陸橋に設置されたエレベーターホールなど、凝ったデザインですね、などと話を向けるうち、市の財政に話が及んだ。何でも近年、財政破綻が発覚、こんなところに余計な金を掛けているからだ、と怒りモードに突入する。なるほど、万葉歴史館で会った元職員の女性は、ここは用地の買収を含め20億かかったが、高岡市立美術館など上物だけで20億だ、などとわざわざ金額を挙げて話していた意味がこれで理解できた。


                        これが陸橋のエレベーターホール

 おじさんの怒りは止まらない。人口減少は毎年2000人ほどもあり、このままでどうするんだ、とまあ、こういうことを訴えたい人はたくさんいるのだろうと想像された。しかし、これは初耳、聞いていなければ、高岡って公共施設のデザインが凝っていて、さすがは物づくりの都市だよなあ、なんてことを、あちこちで言いふらしていた可能性もある。


             市立美術館の回廊。向こうに見えるのが高岡工芸高校の「青井記念美術館」

 さて、市立美術館だ。隣にはさっきのおじさんがちょっと触れていた、東京に出てデパート事業で成功した、「青井さん」という人が母校に寄贈したという「青井記念館美術館」が建っていた。デザインは市立美術館とシンクロするもので、敷地は隣に建つ高岡工芸高校の一部、おじさんはこの時、そのデパートの名がとうとう思い出せなかったけれど、後で調べたら、青井さんは「マルイ」の創業者だった。

 

 いち早くクレジットでの買い物を取り入れた、業界では先駆けの存在、「駅のそば」をキャッチフレーズに、一時はかなりたくさんの店舗数を誇ったはずだが、今はどうなっているのだろう。有楽町駅前にマルイがあるのは知っているが、所沢や川越では撤退して久しい。


                        市立美術館は、大変凝ったデザイン

 市立美術館の建築は、曲面が多用され、螺旋階段の吹き抜けなどを見ても、これは施工に金が掛かるだろうと一目で分かる造り。歩行者用につけられた回廊の屋根も、複雑な造形の凝ったデザインで、芸術性をアピールするこの街にふさわしいと思うが、財政破綻を招いた一因と分かればその評価も自ずと変わってくる。


                            螺旋階段の吹き抜け

 美術館に入ってみると、常設展示室として「藤子F不二雄」の部屋がある。すでに17時に近く、金を払って入る気にはならないが、美術館は18時まで開館しているわけで、つまり時間だけが理由ではない。今の時期、他の展覧会は開催されていないから、外観と内装を観察するにとどまった。

 

 後から振り返ってみると、新湊の博物館とはデザイン的に共通点があるようだ。請負った建築事務所が一緒、ということも考えられる。


             イオンモールは明るく、気分がいい。これだと商店街に勝ち目はないか?

 晩の買い物はイオンモール高岡へ。かなり大きなショッピングモールだが、今となっては小・中・大と分類した場合の「中」に当たるだろうか。入間のだったら「小」、和歌山や岡山のそれは、さすがに「大」となるだろう。しかし、どれだけ大きかろうが他の店舗に用はなく、我々はスーパーだけが目当てだ。もう、どこに旅しても必ず一度はイオンのお世話になることになってしまったが、昔、地方に旅に出てジャスコやサティを見つけたときのような喜びはなく、いささか食傷気味というのはゼータクな悩みというべきか。


                             この晩の飯はこんな感じ


2019.4/1~6 春の富山 その16 大岩山日石寺につづく