2019トルコ共和国6 エフェソス | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2019トルコ共和国6 エフェソス

 

10/26(土)②


 昼食でドライブインのような店に寄った後、今度は革製品の店に案内された。「FIRST PORT」という、壁で囲まれたちょっとゴージャスな感じのお店だが、車内で聞いたアルペルさんの話では、皮を薄くなめす技術は世界一級の生産者で、これにヨーロッパの有名ブランドのタグがつくと(OEMということか?)値段は数倍に跳ね上がるから、トルコで購入すると大変お買い得、ということだった。

 

 はじめに通されたのはランウェイのあるミニシアター。甘いお茶が配られ、クラブミュージックに乗って繰り広げられたのは、ファッションショーだ。美女とイケメンのモデルが5人ばかり登場し、とっかえひっかえ様々な種類の革ジャケットを着て登場する。途中で客も席から連れ出され、参加する事になった。20分くらいのショーだったろうか。我々からすると、西洋風の顔立ちのモデルさん達が登場するのは本格派に見え、何となくディカプリオ似の男性モデルや、そこそこ綺麗な顔立ちをした3人の女性達に幻惑されそうな感じもあった。

 


              革ジャケットのファッションショー 

 当然それが店の狙いだろうが、実店舗に移ると、ずらりと革のジャケットをはじめとした商品が並べられた、明るい売り場はシンプルだが洗練された印象。確かに軽く、薄手の皮は上質なものと分かるが、値札に付いている値段はしかし、日本円にして10数万から30数万円ほど、決して簡単に手の出せるものとはいえない。

 

 今度は日本語が達者でダンディーな売り子のおじさんがついて回り、結構な割引率を示すが、それでも買いやすい価格とはいえない。しばらくすると交渉が成立したのだろう、あちこちで拍手が湧く。なるほど、こういう売り方か。高揚感を演出し、客を囲い込んで精神的にプレッシャーをかけ、落とす。途中で売り子は諦めたようで、付いて来なくなった。革製品に興味がある人なら、あるいはいい買い物が出来るかも知れないが、むこうの言い値で買ったのでは日本で買うのと大差ない印象を受けた。


 さて、エフェソス遺跡もイヤホンガイドをつけてアルペルさんの後をついていく。見えてきたのは、凄い石造遺跡!と表現するしかない程規模の大きいもの、こんな遺跡はギリシャにあるものとばかり考えていた自分が恥ずかしい。

 

           もう、トロイとは比較にならないエフェソスにビックリ!


 太く、大きな石柱が示すのは当然巨大な建造物、そして延々と続く石畳の道、午前中に見たトロイの遺跡がすっかり霞んでしまうのはアルペルさんの言葉通りだが、もう本当に驚愕の連続といって過言ではない。ギリシャのアクロポリスのような神殿はさすがに残されていないけれど、多分、それに匹敵する神殿がここには建っていたはずだ。


 公衆便所があったが、くり抜かれた形で何となくそれと分かる。下には水が流されていたようで、そんな工夫もされていたのかという驚きがあった。個室方式ではなく、ずらりと並んだ便座に、世間話でもしながら用を足す姿が想像され、一昔前の中国旅行に行った人の話が何となく脳裏に浮かんだ。

 

                  公衆トイレがずらりと並ぶ


 しばらくいくと石畳のメインロードは緩い下り坂になって街を貫通し、遠くに門が見える。この道はローマ時代にアントニーとクレオパトラも歩いたというからまた驚きだ。図書館跡がまた圧巻。近くに売春宿があったといい、図書館に行くといって、奥さんに内緒で女を買いに行ったなんてこともあったそうな。

 

              アントニー・クレオパトラも歩いたという石畳の道


 彫刻もあちこちにあるが、クオリティーの高いものばかりで、野ざらしになってはいるが、このまま博物館に入れられておかしくないものばかり。きっと相当の優品がここから持ち去られているのだろう。

 

                    

          どれも美術館・博物館に収蔵されていてもおかしくない優れた作品揃い


 この辺りのそこここにネコがいて、寛いだ姿を見せている。どれも格好の被写体として多くの人がカメラを向けていた。ここでなら、みんな岩合光昭になれそうだった。

       ネコはどこにでもいて、まったく自由

 

 

            2万人収容というのが実感できる巨大な円形劇場


 円形劇場は2万人は収容できるというが、なるほど目の前にそびえ立つ偉容からは、確かにそのように見える。だからここは人口20万の大都市という想像が成り立つ。劇場の傍らにはクレーンが据えられ、補修が行われている最中のようだった。まだ手つかずの地域もあって、全てが発掘されるまでには800年掛かるというから、本当に凄いものである。1時間ほど、ざあっと遺跡の街を歩いてみた、というだけだが、興味の赴くまま、ゆっくり見て歩いたら、たっぷり半日はかかりそうに思えた。

 

                 依然、荒れ地に埋もれたままの遺跡


 遺跡から出て駐車場へ至るスペースは商店が軒を並べている。すぐ右側に生ジュースの店があったが、店頭に積み上げられているザクロの大きさに驚いた。優に野球のボール、いやソフトボールほどもあるのだ。そんなわけでザクロを注文、おじさんはカウンターに据えられた絞り器で半分に割ったザクロを5つ6つ使っただろうか、大きなカップになみなみと濃厚なルビー色の液体を満たした。

 

     ソフトボール大のザクロをその場で搾ってくれるジュースは、味もボリュームもバッチリ!

 

 30トルコリラだから、日本円で¥600内外、安いとはいえないから外国人値段かもしれない。砂糖も何も足していないのに、相当の甘さにまた驚いたが、最後に残るエグミがある。朝、ザクロを食べたときに分かったのだが、中の赤い実を包んでいる白い綿状の部分に苦みがあり、これを取り除くことが出来れば、このザクロジュース、一級品といえる。

 

              野外の温泉プール、到着は9:00すぎ、残念!


 この日の宿は温泉地パムッカレ、「旅のしおり」には「温泉プールがありますので、よろしければ水着・水泳帽をご用意ください云々」とあるが、到着が21時くらいになってしまい、そんな時間の余裕は全くない。夕食会場はそれでも営業時間が10時までらしく、ブッフェで食べることが出来たのは幸いだった。ここでも赤ワインを一本注文したが、“SENFONI”というパムッカレ産のものだった。

 

        レストランが営業していてよかった!でなければ弁当になった可能性も??

 

 部屋の風呂に金色の蛇口があるが、これが温泉だそうだ。せめて温泉にと、この蛇口を捻り、浴槽を満たした。

 

 

2019トルコ共和国7につづく