毎日、児童生徒の交通事故や教職員の不祥事などのニュースが飛び込んで来ます。

その他にも学校を取り巻く問題に関するニュースを目にすることが多く

かつて教職生活を送った者として危惧することが多々あります。

そのような中、学校(教職員)の対応に問題があることが立て続けに起きました。

 

本日は、学校リスクマネジメント推進機構のメルマガでお伝えした

「リスクセンスが問われている」について情報提供させていただきます。

 

 

 

6月も後半に入り、各学校(園)では児童生徒等の成長を願って、

様々な教育活動が展開されていることと思います。

一方、全国の学校(園)において様々なトラブルが発生し、マスコミ等で報道されているトラブルもあります。

6月に入ってから、児童生徒が顔や頭部にケガをしたにもかかわらず、

学校が救急搬送をしなかったことがマスコミで3件報道されました。

当機構では、それぞれの事案について詳細を把握しておりませんので、

マスコミで報道された記事に基づいて、学校の対応についてご紹介したいと思います。

1件目は小学校の事案です。
校庭で他の児童とぶつかって転倒した時に地面に頭を強く打ち嘔吐して顔色が悪かったため学校は保護者に連絡した。
母親は救急車を呼ぶよう求めたが、学校側は容体が快方に向かっていると判断して呼ばなかった。

母親が学校に到着しても頭痛と吐き気があったため、再び学校に救急車を呼ぶよう要請した。
転倒から約1時間後に救急搬送された。

児童は頭蓋骨を骨折していて外傷性くも膜下出血と診断され、一時ICUで治療を受けた。

児童の保護者は、一歩間違えれば命の危険があったかもしれない。
何故、すぐ救急車を呼ばなかったのか強い憤りを感じる。
学校は子どもの安全を守る配慮をして欲しいと話している。

2件目は中学校の事案です。
4月下旬に校外で行われた他校との試合中に、相手選手の頭部が顔にあたり、

顎に激しい痛みを感じたため患部を冷やした。
その後も痛みが続いたため病院を受診したところ、医師から様子を見ましょうと言われたとのこと。

5月上旬の試合でも、再び相手選手とぶつかり顎を強打した。
痛みが頭部全体に広がり、試合後は激痛で動けなかった。

保護者によると、泣きながら座り込む生徒を鏡の前に立たせて、

曲がっていないから折れていないなどど強い口調で言い、

生徒が痛すぎて無理ですと訴えても、立って体育館から出るよう叱責したとのこと。
保護者への連絡はしなかった。

生徒は痛みで自力で帰れず、帰りは別の部員の保護者が車で送った。

生徒が帰宅後に病院を受診すると顎が骨折していると診断された。

医師から、1回目に受傷し、2回目にさらに強い衝撃が加わったと説明されたとのこと。

顧問の先生は、1回目と2回目の両方とも校長先生に報告していなかったとのことです。

3件目も中学校の事案です。
5月下旬に行われた練習試合中に相手選手の膝が前頭部に当たり、
その後も試合に出ていたが休憩中に気分が悪くなったため、該当生徒の保護者に連絡した。

駆けつけた保護者が近くの病院に連れて行ったが、

専門医がいる別の病院に救急搬送されて緊急手術を受けた。

該当生徒は12日間入院した。
手術した病院によると、措置が遅れていれば命に関わる負傷だったとのこと。

顧問の先生は、生徒の呼吸・意識に問題はなく、受け答えができていたため救急車を要請しなかったとのこと。

1件目の小学校では
学校の危機管理マニュアルの規程とは異なる救急処置を行っていたとのことです。
2件目と3件目の中学校では
県や市からの通知等で顔面や頭部の負傷は救急車を要請することになっていたとのことです。

これら3件に共通しているのは、危機管理マニュアル或いは県や市からの通知等により
管理職並びに保護者への連絡、救急車を要請する判断基準が示されているにもかかわらず、守られなかったことです。

児童生徒の様子を確認した教員が最悪の事態を想定しなかったことが

不適切な対応としてマスコミ等で報じられることになりました。

リスクセンスが不足していたと言われても仕方がない事案です。
リスクセンスとは、危険なことを危険なこととして認識する力を指します。

学校(園)現場では、首から上の負傷の場合は、管理職に報告、保護者に連絡、救急車の要請は当然のことだと思いますが
徹底できていない学校があるのは大変残念なことです。

3件とも大事には至りませんでしたが、措置が遅れていれば命にかかわる負傷になるケースもありました。

今回の事案は、教職員が見た目で判断することは非常に危険であることを示していると思います。
救急車を要請し、医師の診断をきちんと受けることが安心につながります。

どの学校(園)も安心安全な学校(園)づくりを進めていると思います。
リスクセンスを高め、緊急時に適切な対応を図ることが求められているのではないでしょうか。

リスクセンスが問われています。



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メルマガ危機管理手帳情報発信者
埼玉県公立中学校と埼玉県公立高校で教員経験。川口市教育委員会で行政経験。

埼玉県公立高校で教頭、埼玉県公立小学校及び同公立中学校で校長を歴任。
川口市立校長会長兼川口市立中学校長会長を歴任。
校長職の時は、マスメディアから注目されていた教育困難校の立て直し等に従事した経験あり。
管理職並びに行政職の経験を生かし、ニュースレターの作成などに携わり、学校の支援を行っている
学校リスクマネジメント推進機構
コンサルタント 鈴木彰典
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