昨日、都内でJRの車掌さんが乗客から暴行を受けて電車が遅延しました。

暴行の理由は分かりませんが、多くの方々に迷惑をかけることになりました。


以前から、鉄道会社の社員に暴力・暴言を行う客は後を絶たず
日本民営鉄道協会は、客からの暴力や暴言等を防止するために、
カスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)に対する

基本方針を定めています。


民間企業では、同様の基本方針を定めている企業が多くある一方、
自治体はカスハラに関する基本方針を定めておりませんが、
東京都は今秋、全国初のカスハラ防止条例を制定する予定です。


条例化に向けて都は、客のほかに公的サービスを提供する役所の窓口や

学校などを利用する人などもカスハラを行う対象にする方針です。


これまで、自治体や学校はカスタマーハラスメントを受けても

ガイドラインや対応マニュアル等が無かったため

受け身の対応を余儀なくされることが多くありました。

 

 

特に、学校では、保護者からの執拗なクレームを受けて

心身の不調を訴えたり、精神的に不安定になり、病院に通い、

薬を処方してもらったり、病気休暇等を取る教職員が後を絶ちません。

中には、退職に追い込まれることも起きています。

 

 

今、教員不足の状況が続いており

教員が病気休暇等を取ったり退職した後に代わりに配置される教員がいません。

そうなると、学校内でやり繰りをしなければならなくなり

その学校の他の教員に負担が重くのしかかることになります。

結局、そのしわ寄せは子供たちにふりかかることになります。

 

 

学校リスクマネジメント推進機構では、毎日、全国の学校から

様々なご相談を受けておりますが、保護者対応の相談が約半分を占めています。

保護者が学校や教員にクレームを言うことは悪いことではありませんが

言い方や回数などは保護者の方にも気をつけていただきたいと思います。

 

 

理不尽な要求をして学校や教職員を疲弊させることは

絶対に止めていただきたいと願っています。



本日は、学校リスクマネジメントの推進機構のメルマガで配信しました

「(速報)カスタマーハラスメント」について情報提供いたします。

 

 

先日、都は東京都カスハラ防止条例(仮称)の基本的な考え方を示しました。

その中から抜粋したものをお伝えいたします。


【基本理念】
〇カスハラは、就業者の人格又は 尊厳を侵害し、就業者の就業環境を

 害するとともに、事業者の事業の継続に影響を及ぼすものであり、

 社会全体でカスハラの防止を図る必要がある。

〇カスハラの防止に当たっては、顧客等と就業者とが対等の立場に立って、

 相互に尊重する。


【用語】
〇カスタマーハラスメント
 顧客等から就業者に対する著しい迷惑行為であり、就業環境を害するもの
〇著しい迷惑行為
 暴行、脅迫その他の違法な行為又は正当な理由がない過度な要求、

 暴言など不当な行為


「著しい迷惑行為」とは、次のいずれかに該当する行為が考えられる。

1 違法な行為
  暴行、傷害、脅迫、強要、名誉毀損、侮辱、業務妨害、不退去 他

2 不当な行為
  申出の内容又は行為の手段・態様が社会通念上相当であると

  認められないもの
 ※社会通念上の相当性は総合的に判断
  代表的な行為の類型(指針への記載を想定)

〇行為の手段・態様が社会通念上相当と認められない場合の例
 ①身体的な攻撃
 ②精神的な攻撃
 ③威圧的な言動
 ④土下座への要求
 ⑤執拗な言動
 ⑥拘束的な行動
 ⑦差別的な言動
 ⑧性的な言動
 ⑨従業員個人への攻撃 等


【カスハラの禁止】
〇何人も、あらゆる場において、カスハラを行ってはならない。


【顧客等への配慮】
〇顧客等の権利(※)を不当に侵害しないように留意する。
 ※消費者基本法、
  消費者教育推進法、
  障害者差別解消法、
  表現の自由など


【指針の作成】
指針への記載を想定している内容は以下のとおりです。

〇カスハラの内容に関する事項
〇顧客等、就業者、事業者の責務に関する事項
〇都の施策
 ・都の責務
 ・カスハラ防止施策の推進

〇事業者の取組
 ・必要な体制の整備
 ・カスハラを受けた者への配慮
 ・カスハラ防止のための手引
  (マニュアル)の作成
 ・その他の措置
〇その他カスハラを防止するために必要な事項


【見直し規定】
〇都は、カスハラの防止に関する取組の状況を勘案し、

 必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、
 その結果に基づいて所要の措置を講ずる。


なお、条例に罰則は設けないとのことです。


今後、東京都がカスハラ防止条例を制定した後は、学校へのガイドライン等が

定められると良いと思います。


また、東京都のカスハラ防止条例を参考にして、東京都以外の自治体でも

カスハラ防止条例が広がっていくのかもしれません。


この条例が制定されて、執拗な保護者クレームに歯止めがかかるように

なると良いのですが・・・。


PS
東京都カスタマーハラスメント防止条例(仮称)の基本的な考え方は、

以下で確認することができます。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/07/19/documents/18_01.pdf


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メルマガ危機管理手帳情報発信者
埼玉県公立中学校と埼玉県公立高校で教員経験。川口市教育委員会で行政経験。

埼玉県公立高校で教頭、埼玉県公立小学校及び同公立中学校で校長を歴任。
川口市立校長会長兼川口市立中学校長会長を歴任。
校長職の時は、マスメディアから注目されていた教育困難校の
立て直し等に従事した経験あり。
管理職並びに行政職の経験を生かし、ニュースレターの作成などに携わり、

学校の支援を行っている
学校リスクマネジメント推進機構
コンサルタント 鈴木彰典
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