「どこへ向かうのか」

 

スイス・ベルンにて。

 

どういった物事に心が動かされ、それが脳でどういう風に消化分解されて、それがどういう行動に繋がっていくのか、ということについて考えています。

 

頭の中で創造されたものが、楽器というツールを経て外に出されるので、その人のマインドセット=考え方の特徴や癖が、演奏に顕著に反映されるわけですが、それだけではなく、自分の性格や個性を決定し、世の中の見方や、その人の生活や人生そのものに大きく反映されるのだと思います。目に見えるもの、気になるものは、その人の頭の中の鏡でもあるのだと思います。

 

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今までは、現代社会に生きることすなわち「いち成人として立派に働き、社会に貢献して豊かに生活すること」だって、常識的に感じていました。これが「大人としての第一の使命」と感じている人が多いと思います。これを信じて疑わず生涯を全うする人が大多数なんだろうなと思います。これを否定する気は全くありません。

 

ただ、豊かな暮らしを実現し継続することは大切なことだけど、それが「第一の使命か」と言われると疑問を感じるわけです。

 

僕はそもそも中学3年生の時に「音楽表現を生業に生きていけるとしたら、なんて楽しい人生だろう!」と思って、専門的に勉強してプロになり、今に至るわけですが、この道のりの中で、社会に順応するために、自分が知らないうちに最重要項目が変化していったんだと感じます。

 

もともとは「音楽表現」がしたかったのに、いつのまにか「仕事を得ること」に代わり、「仕事を継続すること」になっていたように感じるのです。

 

さて、これから何を第一に生きていくのか。自分が本当にやりたいこと、それは一体なんなのか?

 

やりたいことは「表現」それは確か。ただどういう形で実現するのか、それを自問する日々です。僕が今立っている場所は、道が放射状に出ている状態なんでしょうね。極めて自由。

 

どちらに向かうも自分次第。はて、どうしたもんか。