スライドジャパン結成・Special Interviewシリーズ!
メンバーひとりひとりにスポットライトを当て、それぞれの話を聞いていきます。

第7回目は品川 隆(しながわ たかし)さんです。

>品川隆プロフィール(スライドジャパンHP内)
http://slidejapan.com/members.html#TakashiShinagawa

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玉木 優
品川さんはこの3月に日本へ完全帰国されましたが、久々の東京暮らしはどうです
か?


品川 隆

東京に住み始めて3か月が経ちました。これまでも夏はほぼ毎年、長ければ2~3か月間一時帰国をしていたこともあったので、頭のどこかにはまだ「またヨーロッパに戻るんじゃないか」と思っている部分があるみたいです。街で「あ、これ食べておかなきゃ」と反射的に思い、すぐに「別にいつでも食べられるんだ」と思い直してみたり。
実際に住み始めると、様々なカルチャーショックが襲ってきました。自国のはずなのにおもしろいです。でも12年半を経て自分が忘れていたこと、周囲が変化したこと、それらを楽しみながら徐々に慣れてきている感じがします。まるでオランダに渡った当初の冒険のような感覚すらあります。多くの方々とお会いし、いろいろなものに触れて、焦ることなく歩みを進めて参りたいと思っております。全国の皆様、改めましてよろしくお願い致します。

玉木 優

なるほど。「カルチャーショック」はどういう点で最も感じますか?



品川 隆

一番は時間の流れの速さです。もう、あっという間に一日が終わってしまっています。理由は自分でもよくわからないんですけど(笑)予定をきちんと書いて計画しないとうまくいかなくなりました。その点、日本の電車は正確ですし、人々も時間に厳しいので、計画は立てやすいです。それからこれは東京だからでしょうけど、人の多さ、道の狭さには慣れませんね。日曜日の朝5時台の電車でもほぼ満員とか。あとは、街を歩いていて香ばしく匂って来るものたちの誘惑がすごいです。素晴らしい国です! 僕の知っているヨーロッパではそんなことがほとんどありませんでした。

玉木 優
そうですね、日本はなぜかすごく忙しいですね。なんででしょうね。次の質問です。今後、品川さんはどんな活動を展開していく予定ですか?


品川 隆

ヨーロッパでは、学校やマスタークラス等で受けた教育をはじめ、異なる国々でのオーケストラ活動、アンサンブル活動、レコーディング、スライドファクトリーやITFなどのフェスティバルへの出演や運営、英国式ブラスバンドチャンピオンシップの経験など、様々なものに携わりました。
そういった体験と同じくらい貴重だったのが、優れた音楽家たちの様々な営みや思想に触れられたこと、そして多くの若い才能の成長過程や成功、苦労の場面を間近で見られたことです。また、長年の滞在でコミュニケーション力や語学力は相当変化してきたと思います。
そういった財産を今後もアップデートし続けながら、日本の音楽家、学生、アマチュアのみなさんの発展・充実・幸福のために役立てることができたらと考えています。その具体的な形の数々を見つけていく旅が、まだ始まったばかりです!

玉木 優

なるほど。当面は東京を拠点に広げていくという感じでしょうか?




品川 隆

そうですね。最近は関西にご縁がありますし、新しい地域も訪れてみたいです。もちろん、故郷の北海道は外せません!教育に関しては、各地のキャンプやフェステバルのほか、日本全国で活発な吹奏楽の世界も同様です。以前から夏の帰国時にそこで頑張る生徒さんたちはもちろん、他の指導者や先生方との連携も楽しみのひとつになっています。

玉木 優
わかりました。品川さんがヨーロッパで学んだ、最も大きなことは何ですか?


品川 隆

最も大きなことは、勉強をする姿勢です。留学してすぐに自分の中にある、受動的な勉強姿勢=甘えの部分に気付きました。自分の現状や特徴を誰よりもきちんと把握し、新しい情報に触れ、それを自分の責任で選択し反芻し、自分を構築し続けていくことが大切だと思います。
演奏面に関しては、サウンドの重要さ、音楽のスタイルの大切さ、この2つの体感はとても衝撃的でした。僕の日本での経験には(僕がニブかっただけのような気もしますが)そういう衝撃に至るものがなかったと思います。何かが足りないとわかっていても、それを具体的にどう埋めたらいいかがわからなかったのです。サウンドやイマジネーションというものを目指し始めたことで、メンタルやフィジカルが追従するようになりました。
また、音楽のスタイルを勉強しはっきりと認識し、異なる時代の音楽がどう演奏されれば効果的なのか、理解できるようになっていったと思います。音の大きさや長さ、アーティキュレーションといったことだけでは到底、楽譜が音楽になることはありません。幅広い音楽を演奏する現代の音楽演奏家にとっては絶対不可欠な“レシピ”の数々だと思います。

玉木 優

なるほど。スライドジャパン結成にあたっての抱負と、お客様にメッセージはありますか?







品川 隆
アンサンブル活動としては、同じ釜の飯の多国籍チーム「ITE」から、各々が異なる背景を持つ純国産チーム「スライドジャパン」に活動が変わり、その違いの数々を楽しむことができています。自国に戻っても素晴らしい仲間たちに囲まれて新鮮な体験ができることはとてもラッキーです。本当に素晴らしい奏者たちばかりなので、その中で自分の役割を果たせるようにアクセルを踏み続けていきたいと思います。世界の舞台で活躍できるグループへと発展させていきたいです。ITEを応援してくださったみなさんも、ぜひスライドジャパンを応援してください!

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長年のヨーロッパでの経験を元に、品川さんは今後どのような活動を展開されていくのか、注目が集まるところです。日本のトロンボーン界や音楽界をさらに推進する、新たな風となるのではないでしょうか。そんな異なった影響力の集まりがスライドジャパンです。どのように弾けるか。是非体験しに来てください!

今回でとりあえず連載はひと段落です。この先もコンサートに向け、不定期で特集を組もうと思っています。またチェックしてください!

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スライドジャパンウェブサイト
http://slidejapan.com

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