スライドジャパン結成・Special Interviewシリーズ!
メンバーひとりひとりにスポットライトを当て、それぞれの話を聞いていきます。
第5回目は清水 真弓(しみず まゆみ)さんです。

清水真弓プロフィール(スライドジャパンHP内)
→http://slidejapan.com/members.html#MayumiShimizu
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玉木 優
最初に清水さんの現在の主な活動について教えてください
清水 真弓
現在は南西ドイツ放送交響楽団(フライブルク、バーデン・バーデン)に所属しています。その合間をぬってソロ活動をしたり、スイスのバーゼルで古楽の勉強をしたりしています。日本でも少しずつ活動の土壌が出来てきて、自分のプロデュースする企画(ソロやマスタークラス)が実現し、また私の初CD「Fantasie」が5月29日にリリースされます。
玉木 優
オーケストラの職場の雰囲気はどんな感じですか?
清水 真弓
とても雰囲気は良いですよ。特にトロンボーン、金管同士ですごく仲が良いので、本当に居心地が良いです。何か本当にラッキーな出会いだったなと思っています。
玉木 優
清水さんはオーストリアのリンツブルックナー管を経て、現在の南西ドイツ放送響に在籍していますが、何か違いは感じますか?
清水 真弓
意外と感じます。両方ともドイツ語圏の国ですし、何となく一括りにしてしまいがちですが、結構違う部分も多いです。ただ、二つのオケの性質や構造がかなり違うので、メンタリティーから来るものだけではないかもしれませんが、オーケストラで働くという意味では、私は最初のプロオケ経験がベルリンフィルだったので、やはりドイツの仕組みに慣れている部分が多く、オーストリアでは少し疑問を感じる部分もありました。演奏に関しては、管楽器より弦楽器の方が違いが大きいのかもしれません。金管に関しては、ウィーン流派のトランペット、ウィーナーホルン以外はさほど感じないですね。
玉木 優
なるほど。ドイツ人とオーストリア人の違いって、あまりよく知られていませんが、人の性格や考え方なんかも結構違いますか?
清水 真弓
世界レベルで見たら似ている方だとは思いますが、やはり違うと思います。オケの世界が他の社会全体に当てはまるとは思いませんが、例えば、リンツの人は「フライブルク?音楽はオーストリアでしょ。」という人も多く、オーストリア人はあまり外に目を向けないところがあると思います。他の国より自分の国が良いと思う、思いたい、という印象を受けます。フライブルクの人は「リンツ?ああ、いいところだよね。」と、とてもあっさり。ドイツ人は逆にオーストリアをあまり特別には意識せず、大きい国としての余裕感が感じられます。医療システム、食品のクオリティはオーストリアの方が良い気がします。リンツで仕事を始めて1週間後に肺炎で入院しましたが、あの時は医療システムの素晴らしさに感動しました(笑)
玉木 優
オーストリアとドイツの違い、なんとなくわかりました。デンマークとドイツも文化が似ているとは言えど、国境を越えると街も人も雰囲気がガラッと変わっていつも面白いなあと思います。日本は国境を接する国がないから、ヨーロッパならではという感じですよね。そういった意味ではフライブルクはどうでしょう?
清水 真弓
そうですね、フライブルクはフランスとスイスの国境が近いので、とてもオープンだと思います。オケにスイス人はいませんが、フランス人は何人かいますし、そもそも音楽監督がフランス人です。リンツでフランス語を聞くことなどまずなかったですけど、今のオケではフランス語を話せる人が多いので、フランス演奏旅行がある旅に、全然話せない自分に凹みます。
また、バーゼルでの古楽の勉強のため頻繁に国境越えをしていますが、30分の距離であっても、やはり一応国は違うのだなと感じます。言葉のアクセントも全く違うし、スイスってとても特殊だと感じます。特にバーゼルでは最近外国人のビザ申請がものすごく厳しくなって、メディアでも散々取り上げられていましたが、EUにも加盟せず、よその国を気にしない感じ、特殊な国の方向性だと思います。ドイツはそういう意味では、オープンな方だととても思います。
玉木 優
そうですね。最近のスイスの排他的な政策には少し引っかかるところがありますね。
次の質問、スライドジャパンの活動はどんなものにしていきたいですか?
清水 真弓
スライドジャパンはこれから私の中で大変重要なアンサンブルになっていくだろうと、とても期待しています。他の名プレイヤーから刺激を受けられて、本当に自分も頑張らなければ!と思います。8人だからこそ作れるサウンドというものを200%楽しんで、お互いに良い化学反応を起こせればなと思っています。あと、長い目で見てとにかく楽しくやっていきたいので、皆忙しいですけど、夏はバーベキュー大会、冬は鍋でもして親交を深めたいですね(笑)
玉木 優
演奏面や企画面では何かありますか?
清水 真弓
場面、用途に応じて、繊細なサウンドから重厚なサウンドまで、様々な色が出せれば良いなと思います。企画はもちろんトロンボーンの王道のレパートリーに加えて、例えば、映画音楽をバシッと決められたらカッコイイなと思うのと、あとは、空間とこの人数を使うような新曲などに取り組められたら面白いかなと。
玉木 優
最後に、清水さんの今後の抱負と、お客様へのメッセージをどうぞ。
清水 真弓
いわゆるトロンボーンとしてのお仕事はオーケストラで十分楽しみつつ、ソロや室内楽では自由にトロンボーンの枠からはみ出して(笑)、エンターテイナーとして自分もお客さんも皆で楽しめる演奏会を作っていきたいなと思っています。
今回のスライドジャパン・デビューコンサートシリーズも、何より皆さんが楽しい、また来たいと思える演奏会を作りたいと思っています。一緒に楽しみましょう♪
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最近になってやっと日本でも女性プロトロンボーン奏者が増え、本当に喜ばしいことです。清水さんはそんな彼女たちの活動をリードするような存在ではないでしょうか。彼女の音楽やキャリアの構築、考え方などに、これからも多くの人が影響を受けていくのではと思います。今回のスライドジャパンの公演では我々のデュオ「たましみず」としての演奏もご披露します!お聴き逃しなく!
【ブログ連載・次回予告】
第6回目は群馬交響楽団の越智大輔さん。
5月30日土曜公開です。
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スライドジャパンウェブサイト
→http://slidejapan.com
「デビューコンサートシリーズ Take Off」チケットお申込
→関西公演・7月19日・西宮
→東京公演・7月20日・上野
→福島公演・7月21日・いわき
メンバーひとりひとりにスポットライトを当て、それぞれの話を聞いていきます。
第5回目は清水 真弓(しみず まゆみ)さんです。

清水真弓プロフィール(スライドジャパンHP内)
→http://slidejapan.com/members.html#MayumiShimizu
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玉木 優
最初に清水さんの現在の主な活動について教えてください
清水 真弓
現在は南西ドイツ放送交響楽団(フライブルク、バーデン・バーデン)に所属しています。その合間をぬってソロ活動をしたり、スイスのバーゼルで古楽の勉強をしたりしています。日本でも少しずつ活動の土壌が出来てきて、自分のプロデュースする企画(ソロやマスタークラス)が実現し、また私の初CD「Fantasie」が5月29日にリリースされます。
玉木 優
オーケストラの職場の雰囲気はどんな感じですか?
清水 真弓
とても雰囲気は良いですよ。特にトロンボーン、金管同士ですごく仲が良いので、本当に居心地が良いです。何か本当にラッキーな出会いだったなと思っています。
玉木 優
清水さんはオーストリアのリンツブルックナー管を経て、現在の南西ドイツ放送響に在籍していますが、何か違いは感じますか?
清水 真弓
意外と感じます。両方ともドイツ語圏の国ですし、何となく一括りにしてしまいがちですが、結構違う部分も多いです。ただ、二つのオケの性質や構造がかなり違うので、メンタリティーから来るものだけではないかもしれませんが、オーケストラで働くという意味では、私は最初のプロオケ経験がベルリンフィルだったので、やはりドイツの仕組みに慣れている部分が多く、オーストリアでは少し疑問を感じる部分もありました。演奏に関しては、管楽器より弦楽器の方が違いが大きいのかもしれません。金管に関しては、ウィーン流派のトランペット、ウィーナーホルン以外はさほど感じないですね。
玉木 優
なるほど。ドイツ人とオーストリア人の違いって、あまりよく知られていませんが、人の性格や考え方なんかも結構違いますか?
清水 真弓
世界レベルで見たら似ている方だとは思いますが、やはり違うと思います。オケの世界が他の社会全体に当てはまるとは思いませんが、例えば、リンツの人は「フライブルク?音楽はオーストリアでしょ。」という人も多く、オーストリア人はあまり外に目を向けないところがあると思います。他の国より自分の国が良いと思う、思いたい、という印象を受けます。フライブルクの人は「リンツ?ああ、いいところだよね。」と、とてもあっさり。ドイツ人は逆にオーストリアをあまり特別には意識せず、大きい国としての余裕感が感じられます。医療システム、食品のクオリティはオーストリアの方が良い気がします。リンツで仕事を始めて1週間後に肺炎で入院しましたが、あの時は医療システムの素晴らしさに感動しました(笑)
玉木 優
オーストリアとドイツの違い、なんとなくわかりました。デンマークとドイツも文化が似ているとは言えど、国境を越えると街も人も雰囲気がガラッと変わっていつも面白いなあと思います。日本は国境を接する国がないから、ヨーロッパならではという感じですよね。そういった意味ではフライブルクはどうでしょう?
清水 真弓
そうですね、フライブルクはフランスとスイスの国境が近いので、とてもオープンだと思います。オケにスイス人はいませんが、フランス人は何人かいますし、そもそも音楽監督がフランス人です。リンツでフランス語を聞くことなどまずなかったですけど、今のオケではフランス語を話せる人が多いので、フランス演奏旅行がある旅に、全然話せない自分に凹みます。
また、バーゼルでの古楽の勉強のため頻繁に国境越えをしていますが、30分の距離であっても、やはり一応国は違うのだなと感じます。言葉のアクセントも全く違うし、スイスってとても特殊だと感じます。特にバーゼルでは最近外国人のビザ申請がものすごく厳しくなって、メディアでも散々取り上げられていましたが、EUにも加盟せず、よその国を気にしない感じ、特殊な国の方向性だと思います。ドイツはそういう意味では、オープンな方だととても思います。
玉木 優
そうですね。最近のスイスの排他的な政策には少し引っかかるところがありますね。
次の質問、スライドジャパンの活動はどんなものにしていきたいですか?
清水 真弓
スライドジャパンはこれから私の中で大変重要なアンサンブルになっていくだろうと、とても期待しています。他の名プレイヤーから刺激を受けられて、本当に自分も頑張らなければ!と思います。8人だからこそ作れるサウンドというものを200%楽しんで、お互いに良い化学反応を起こせればなと思っています。あと、長い目で見てとにかく楽しくやっていきたいので、皆忙しいですけど、夏はバーベキュー大会、冬は鍋でもして親交を深めたいですね(笑)
玉木 優
演奏面や企画面では何かありますか?
清水 真弓
場面、用途に応じて、繊細なサウンドから重厚なサウンドまで、様々な色が出せれば良いなと思います。企画はもちろんトロンボーンの王道のレパートリーに加えて、例えば、映画音楽をバシッと決められたらカッコイイなと思うのと、あとは、空間とこの人数を使うような新曲などに取り組められたら面白いかなと。
玉木 優
最後に、清水さんの今後の抱負と、お客様へのメッセージをどうぞ。
清水 真弓
いわゆるトロンボーンとしてのお仕事はオーケストラで十分楽しみつつ、ソロや室内楽では自由にトロンボーンの枠からはみ出して(笑)、エンターテイナーとして自分もお客さんも皆で楽しめる演奏会を作っていきたいなと思っています。
今回のスライドジャパン・デビューコンサートシリーズも、何より皆さんが楽しい、また来たいと思える演奏会を作りたいと思っています。一緒に楽しみましょう♪
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最近になってやっと日本でも女性プロトロンボーン奏者が増え、本当に喜ばしいことです。清水さんはそんな彼女たちの活動をリードするような存在ではないでしょうか。彼女の音楽やキャリアの構築、考え方などに、これからも多くの人が影響を受けていくのではと思います。今回のスライドジャパンの公演では我々のデュオ「たましみず」としての演奏もご披露します!お聴き逃しなく!
【ブログ連載・次回予告】
第6回目は群馬交響楽団の越智大輔さん。
5月30日土曜公開です。
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→関西公演・7月19日・西宮
→東京公演・7月20日・上野
→福島公演・7月21日・いわき