学校で各教科を学ぶ意義 | 土地家屋調査士法人ユタカ登記測量事務所

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立川志らくさん、良いこと言いますね。
だいたい、「日常生活で使わないから」なんていう事言ってしまったら、学校教育に置かれている全ての科目が意味のないものになってしまいます。

国語、社会、数学、理科、英語が何故学校教育に置かれているか知っていますか?

国語…人間関係を成立させるのがコミュニケーションの手段として用いられる国語である。コミュニケーションを成り立たせている「聞く・話す・読む・書く」のすべてが国語を通して行われ、これらの活動を介して社会生活が成立している。

社会…国際社会に生きる、平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

数学…論理的思考を鍛え、問題発見力・問題解決力を養う。

理科…自然への感謝の気持ちを育て、我々を取り巻く自然環境の中で、自分たちの生活をより安全で便利な豊かなものにするため。

英語…自分と違う文化や考え方に出会い、視野を広げる。


そう、学校で学ぶ事は教養として得ても日常生活で使う事は物によってはないかもしれません。
しかし、何らかの場面で役に立つ部分というのは出てくるものですし教養として知っていて損するような事など1つもないのです。



記事にもある「古文」が役に立った部分、私はありました。
私自身も宅建や土地家屋調査士の試験を受けるにあたり、法律の条文を見る事がありました。今でこそ民法や不動産登記法、商法は改正によって口語体になっていますけど、そもそもこれらは明治時代に成立した法律です。そのため、当時の法律の条文は文語体で書いてあるんですよね。
だから、古文わからなければ何書いてあるのかわからないという事になります。

今となっては真面目に勉強していれば古文や漢文にももっと面白い世界が広がっていたのだと思います。

社会科に関しては当然歴史を知っていれば旅行や観光の時は楽しいでしょうけど、地理の知識が役に立った事がありました。

ある人が植物を買っても水をやりすぎてしまうのか枯れてしまう、という事を言っていました。
その話をお店の人としていたら、お店の人は「この植物は地中海沿岸が原産だ」という事を言いました。これを聞いた時に、何故枯れてしまったのか原因がわかりました。そう、地中海沿岸という事は、その植物の原産地は地中海性気候…夏の降水量が非常に少ない地域だという事。つまり、乾燥している所で生育するというものだという事。そういう知識があれば、植物を育てるのに役に立つでしょう。

 

※地中海性気候というのは、中緯度で大陸の西側にできるものですが、たまたま地中海沿岸がこの気候になるからそういう名前だというだけであって、内海の存在は気候の成立には全く関係ありません。

 


数学は我々の仕事においても普通に使っています。

個人的な意見ですけど、高校教育においては数学は文系理系関係なく、ベクトルや行列、微分積分まで必修にすべきだと思ってます。

そして理科は物理を必修にすべきだと思います。
ただし、教え方が駄目駄目な先生は容赦なくクビにする。

理科は中学校までは結果が目に見えるし計算もそう多くはないから楽しいものですけど、高校に行くと恐ろしいほどに難易度が跳ね上がります。あまりにもギャップがありすぎると感じるわけです。そういう時に先生に恵まれなかったりすると、理科そのものが嫌になってしまう。現に理系離れの原因というのはこういう所にもあります。

 

私自身、高校の時は理系クラスでしたが、クラスの1/3が文系に転じる有様でした。もちろんどちらにしようか迷った結果文系を選んだという人もいましたけど、多くは数学の微分積分や物理が嫌だという理由でした。
私も物理の授業には着いていけなかった奴でした。担任が数学の先生で、私は担任の先生とは相性良かった事と微分積分だけはなんとか理解できたから、文系に変えずに済んだようなもので。

 

※高校の時は文系にしようか理系にしようか迷っているなら、とりあえず理系にしなさい、と言われました。

そのため、理系を選んだけどやっぱり文系が良かったという人は担任の先生と相談した上で、文系に変える事はできました。

一方で一度文系であると誓った人は、理系に転じる事は決して許されませんでした。もちろん理系を選んで一度文系に変えた人が理系に戻るというのも駄目です。

で、何故物理を必修にすべきと考えるかですけど、高校までであれば物理、化学、生物、地学はそれ単独でも問題はないわけです。しかしこれらは全て物理学の上に成り立っているものであるため、これらを専門的に学ぼうと思ったら、物理学がわからなければ始まらないわけです。もちろん工学系なら基本になっているのは物理学ですから。

当然物理を学ぶ上では道具として数学は必要になるわけですけど、高校物理は学習指導要領上「微分積分を使ってはいけない」という縛りがあります。そのため、微分積分を使えば1行で済む説明が、意味不明になってしまうわけで「高校物理はわけもわからずたくさんの公式を暗記しなければならない」「公式に数字を当てはめようにも、その公式もそのまま使えない」から、もうわけわからん、という事になってしまうわけです。

一方で、中高一貫校でもない限り、数学で初めて微分積分を見るのは高校2年生でしょう。高校物理で微分積分を使う事を許可しても、数学3レベルの微分積分の計算が使いこなせないとしょうがないわけで、それを学ぶのは高校3年生になってから、という問題があるわけです。そこから物理を学ぶのでは間に合わない。

 


こういうところをなんとかしろと思いますが、政治家の皆さんちゃんと現場を見てください。

学識経験者の皆さんで話し合って積極的に意見をぶつけていただければと思います。