ラビットアイの収穫始まる | ゆたか農園のブログ

ゆたか農園のブログ

新規就農した夫婦のブログです。「ゆたか」は妻、夫、息子の名前の頭文字を1文字ずつ取って名付けました。「ゆたか」にはrich、wealthy、fertileといった意味だけでなく、家族3人で力を合わせて頑張ろうという想いが込められています。

東海地方もやっと梅雨入りのようです。午前中はそのとおりの天気で、ご予約いただいていたお客様には日時の変更のお願いをし、私は農園の日除けテントの下でブルーベリーの挿し木の鉢上げです。晴天続きでなかなか鉢上げ作業が進まず、今日でやっと1000本を超えました。

 

11時ごろから急に天気が回復し、ブルーベリー「第1畑」の草むしりを再開しました。ここにはラビットアイ系が約200本植わっており、「第1畑」という名前のとおり、私たちが最初にお借りした畑です。2009年の2月でした。知人の紹介でこの畑をお借りしたのが私たちのスタートでした。同じ市内とはいえ農園がある西尾市平原町と私の住んでいる地域では少し離れており、それまでまったく知らなかった平原町に”えにし”をくださった地主さんということで、今でも非常に感謝しています。それでなんとか夕方までに「第1畑」の草むしりを終えることができました。明日からは「第1畑」にもお客様をご案内できます。

 

「第1畑」のラビットアイ系も収穫を迎えています。年を追うごとに収穫開始が早くなっています。私たちが新規就農した頃は、ラビットアイ系といえば7月に入ってから紫色に色付くものでした。

 

ブルーベリーなのにピンク色の実がなる品種「ピンクレモネード」の畑はこんな感じです。

ピンクレモネードは今週末がピークといったところでしょうか。

 

いつも野菜を恵んでくださる隣の畑のおばちゃんにブルーベリーを差し上げたら、さっそくお返しをいただきました。

いくら果樹農家とはいえ、私たちだって百姓の端くれです。自分たちで食べるくらいの野菜は自分たちで作りたいのですが、夏はブルーベリーの収穫や、全部で1.5ha(約4500坪)ある畑の草刈りで、とても自家消費の野菜作りまで手が回りません。畑に勝手に生えてくるダイコンやサトイモ、あとは地主さんの置き土産で毎年のように芽が出てくるジャガイモくらいです。だから、新鮮な野菜を恵んでくださる隣の畑のおばちゃんは私たちにとって本当にありがたい存在です。

 

一方で、もうひとりのお隣さんには困り果てています。私たちが15年前に「第1畑」をお借りした時にはすでにこの土地(地目は農地らしいです)で石工職人だという人が石像を作る作業をしていました。その石工さんもこの土地を借りて作業場にしています。

それまでは毎日のように朝からトンカンと石を彫る作業をしていた石工さんですが、5年ほど前から来るのが激減。今は年に数回来るのみとなりました。夏は草ボーボーでちょっと迷惑しています(あまり人のことを言えませんが)。石工さんとの共通の知人に聞いたら、奥様の郷里である長野県に移住したとのこと。ここの周りの畑はすでに私たちがすべてお借りしており、「アタックチャンスの狙い目」じゃないですが、前々からここはぜひともお借りしたいと思っていた土地でした。道路に面していてクルマを停められるうえに電気も通っていますし、あとは水道さえ引ければ今の仮設の日除けテントではなく、もうちょっと立派な休憩所を建てられるよねと、妻と話をしていました。

 

何年も石工さんが仕事をしている様子はありませんし、フォークリフトなどの金目のものもすべて処分してしまったようです。もしかしたらこの土地を返す話をしているかもしれないと、地主さんを訪ねました。この土地の地主さんは「第1畑」の所有者と同じ人ですから、良く知った間柄です。そうしたら石工さんが長野県に移住したことを知らなければ、土地を返すという話も来ていない、オマケに最近は地代も払ってもらっていないとのことでした。地主さんのお母さん(認知症を発症)が20年ほど前に口約束で石工さんに土地を貸していたから、私からの話を聞くまで石工さんの名前すら知らなかったそうです。さすがの地主さんも石工さんが遠くに引っ越したと知り、ガラクタ(作品?)を残したまま逃げられてしまうのではと不安になったようで、ちょうど東京オリンピックが1年遅れで開催されている2021年7月に、地主さん、石工さん、そして私の三者で話し合いをしました。地主さんの主張としては「地代は要らないから3年後までに片付けて退去して欲しい、その後は岡田(私)に貸す」という内容でした。

 

しかし、2024年6月19日。それから3年が経とうとするのにまったくと言って良いほど片付いていません。それどころか久しぶりに石工さんが来て新たに瓦礫を搬入しています。来月末までに退去する人がヘンだなと思って尋ねると、「3年前に一方的に土地を返せと言われたのは覚えているが、私は同意していない」、「まだこっち(西尾)で仕事が入るかもしれんから借りとるだ」、「建物はどうするの?片付けるのにお金がかかるでしょう?」(←自分が建てた建物なんだから更地に戻すのは当たり前のことです)、「俺が返してもどうせアンタ(私)じゃ借りれんじゃん」(←どうやら私たちが未だに「非農家」でヤミ耕作だと思っているようですが、私たちは新規就農の手続きをしています。この石工こそ農地を借りる資格はありませんし、しかも農業以外の用途で農地を使うのは違法行為です)、さらには「いずれアンタに貸そうと思っていたが、あんまり言われるとその気がなくなる」だのと、自分のことは棚に上げ、そこがまるで自分の土地であるかのような訳の分からないことを言い始めます。挙句の果てに「アンタじゃ話にならない」そうなので、それならばとすぐに地主さんに連絡。地主さんに来ていただき3年前と同じように再び三者での話し合いとなりました。地主さんのお考えは3年前と同じで「今年の7月をもって退去して欲しい。その後は岡田さん(私)に使ってもらいたい」でした。一方で石工さんは「事情が変わったもんでね」とのこと。どのような「事情」なのか興味もありませんが、それが本当ならば「事情」とやらが変わった時点で地主さんに説明して、延長をお願いすべきではないでしょうか。だいたい長野県に引っ越したのに、地主さんに連絡の1つもしてない時点で石工さんの常識を疑います。

 

土地の賃貸借は1年前までに申入れすれば自動的に解約になるという民法617条の条文を私がスマホで示し、「地主さんは1年どころか3年も前に申入れをしている」と言っても、石工は「そんな法律は関係ない」、「とにかく借り手の権利が一番強いんだ」、「法律よりも慣習法(?)が優先されるだよ」などと相変わらず訳の分からないことを言います。さらには「時代によって法律は変わる」だのと、石工もすでに高齢で本気でそう思っているのか、それとも石工にはお子さんがいないそうなので処分に多額の費用が掛かる建物やガラクタをこのままにして逃げ通そうという魂胆なのか分かりませんが、私たちとしては法律を否定されてしまうと話し合いが成立しません。オマケに石工は「あと10年待って欲しい」と言い出す始末です。3年もあって片付けなかった石工が、80代半ばにもなって大量のガラクタを片付けに長野県から西尾まで来るとはとても思えません。だいたい石工の言うとおり、もし借り手の権利が一番強ければ、自分で契約期間を決めれば良いだけのことですから地主さんに延長をお願いする必要はないはずです。石工の言ってることはもう滅茶苦茶です。地主さんも困り果てた様子でした。

 

私たちとしては今年の8月からこの土地をお借りし、新たな計画を立てていただけにとても残念です。最終的に地主さんはあと2年間のモラトリアム(猶予期間)を与える、つまり2026年6月までの退去を求めました。もちろんすべては地主さんが決めることで、私に決定権はありません。変わり者と言われる私でもそれくらいの「常識」は持っているつもりです。だからこれまで3年も待ちましたし、今回も地主さんの意向に従います。

 

私たちのように農業委員会の許可を得て農地の貸し借りをしていれば大丈夫ですが、「時効取得」という法律があり(民法162条第1項、2項、今の状態を放っておいたら石工が土地の所有権を主張し出すかもしれません。前回の話し合いの内容は石工にとぼけられましたし、2024年6月の時点で地主さんが石工に対して退去を申し入れていたという確かな記録を残し、地主さんの所有権を守るためにも今回の三者での会話はスマホですべて録音しました。それをあとで妻と一緒に聞き直しましたが、我ながら下手な漫才を聞くよりよほど笑えました。訳の分からないことを連発する石工が「ボケ」担当で、それに対して私が「ツッコミ」です。案外良いコンビかもしれません(笑)。居合わせた石工のお兄さんが「畑を借りていると、こういうトラブルに巻き込まれることもあるんだねぇ」と呟く声が最後に入っていましたが、いやいやその原因を作っているのはアンタらなんですけど・・・。

 

その会話の中で石工から「そういえば岡田君は石像が欲しいと言っていたよね」なんて言われましたが、3年前に「物置を処分するなら安く売って欲しい」とは言いましたけど、石が欲しいだなんて一言も言ってません。この石工の「先生」によると、このようなちょっとした石像の希望販売価格が20万や30万だそうです。石工が何をいくらで売ろうが自由ですが、とてもそんな高価な物をいただくわけにはいきません!

後々になって「岡田君が欲しいと言っていたから石を残したんだ」などと言われ、大量のガラクタの処分を押し付けられても困ります。言った言わないにならないためにも、やはり音声データといった証拠は重要です。

 

ネットで調べても土地のトラブルって多いらしいですね。でも、そもそも常識ある大人どうしならトラブルになりません。3年も前に地主さんが解約を申し入れているのにコレですから、この調子だとおそらく2年後も同じことの繰り返しになりそうな予感です。石工は高齢ですし、やはり「そのうち、そのうち」と曖昧なままにしてこのまま逃げようという腹づもりなのでしょう。こんな人がいると畑を借りて真面目に農業をやりたいという人がますます畑を借りにくくなりますし、本当に迷惑です。石工さんに理解して貰って退去していただく何か良い方法はないものでしょうかね?

 

というわけでブルーベリー狩りに来てくださった方に冷たい飲み物やスイーツを提供したり、ジャムや日本ミツバチのハチミツを販売できるお店を構えたいと思っていたのですが、早くても2026年7月以降になりそうです。

 

 

~ブルーベリー狩りについて~

入園料は今まで通り、時間無制限の食べ放題で中学生以上1200円、小学生600円、幼稚園・保育園児300円、お持ち帰りは別料金で100グラム300円です(すべて税込み)。ご来園の直前でも構いませんのでお電話いただけるとありがたいです。特に土休日の午前中は混み合いますし、午後は配達などで妻も私も不在のことがありますのでお電話で確認願います(080-5126-9832 岡田)。ご連絡の際は①ご来園日、②およそのご来園時間、③人数、④代表者様のお名前をお知らせください。

 

あと、私たちが収穫したブルーベリーも販売します。100グラム400円で、1kg以上のご購入で1割引です(1kg3600円)。ご注文をいただいてから収穫しています。こちらもお電話でご予約をお願いします。

 

ブルーベリーのシーズン中は定休日はありません。営業はいちおう朝8時から午後4時(受け付けは午後3時まで)ですが、百姓は朝に強いので、前日までに連絡いただければ早朝からでも大丈夫です。持ち込みは自由ですから、ヨーグルトなどを用意して、まだ涼しい早朝に農薬完全不使用の新鮮ブルーベリーをお楽しみください。