日本で唯一のフェイジョア専門書 | ゆたか農園のブログ

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新規就農した夫婦のブログです。「ゆたか」は妻、夫、息子の名前の頭文字を1文字ずつ取って名付けました。「ゆたか」にはrich、wealthy、fertileといった意味だけでなく、家族3人で力を合わせて頑張ろうという想いが込められています。

前々から読みたいと思っていた本を入手しました。

 

ブルーベリー栽培について書かれた本は何冊も出版されていますが、私が知る限り日本におけるフェイジョアの専門書はこの1冊限りです。「新果実フェイジョア‐その栽培と料理法」です。

この本以外では果樹栽培全般の本に、他の多くの果樹に混じってフェイジョアが1ページから数ページほど簡単に紹介されている程度です。

 

この本が出版されたのは1983年(昭和58年)で、1983年といえば、「アポロ」というフェイジョアの優良品種が発表された年です。

一気に読了しました。

 

読み終えて驚いたのは、昭和6~7年ごろにはフェイジョアの苗が日本に入っていたことです。90年近く前にもう日本でフェイジョアの栽培が始まっていたんですね。ただ、当時の苗はすべて実生苗(タネから育てた苗)で、収穫目的というよりは庭木用や観賞用だったらしいです。

 

そしてさらなる驚きは、すでに昭和50年代の後半には宮崎県児湯郡で、何軒かの農家さんが共同でフェイジョアの経済栽培を始めていたことです。ニュージーランドから当時の最新品種であった「トライアンフ」や「マンモス」の苗木を2,000本以上輸入して、約10ヘクタールの畑でフェイジョアを栽培していたと書かれています。もちろんまだインターネットがない時代です。日本におけるフェイジョア栽培の草創期ということで、栽培方法についてほとんど情報がなく、苗の輸入業者を通して栽培方法をNZへ問い合わせるなど、苦労された様子が書かれていました。神奈川県大井町で昭和40年代からフェイジョアが栽培されているのは知っていましたが、当時は実生の木(タネから育てた木)ばかりだったと聞いています。収穫目的での栽培は大井町が日本初でしょうが、「品種名の確かな挿し木苗による大規模なフェイジョア栽培」という点においては宮崎県児湯郡がおそらく日本で最初であり、これについてもっと調べたくなりました。

 

しかし、「児湯郡 フェイジョア」などと検索しても情報が出てきません。あれから40年、当時のフェイジョア畑はどうなっているのでしょうか。ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。

 

非常に勉強になった1冊でした。3000円と古本にしては高額でしたが、私にとってそれくらいの価値は十分にありました。

 

 

~追記~

本には宮崎県児湯郡川南町の方が中心となってフェイジョア栽培を始めたと書かれていましたので、川南町役場に電話してみました。確かに40年ほど前、町内でフェイジョアを栽培していたが、現在は栽培されていないというご回答をいただきました。その理由までは分かりませんでしたが、まだキウイフルーツの栽培が緒に就いたばかりの時代。当時としてはフェイジョアはあまりに先進的だったのかもしれません。