大和市議会 法律で保障されている議員の権限を制限する議運決定 | 大和市議会議員 石田ゆたか

大和市議会議員 石田ゆたか

政党支持なし・元料理人・36歳・二児の父・道産子

原発事故をきっかけに無関心だった政治に強い問題意識を持ち
料理を辞め、2014年に無所属で立候補し初当選

政策
オーガニック・医療介護・子育て・地域循環経済・自然エネルギー・市民が直接決めれる政治

【これでいいのか大和市議会】


大和市議会 法律で保障されている議員の「意見書・決議の発案権」を制限する議運決定

 

「昨年末に決定」
これまで、国などに議会が提出できる意見書・決議案は2人以上の賛同議員がいれば本会議に議案として上げることができ、その可否が討論の上、議決されていました。

しかし、昨年末の議会運営委員会 (以後、議運) の決定により、

議運で否決されることが明らかになった意見書案は、本会議で審議されないことになりました。
 


「現状の議会の勢力図」 
本題に入る前に大和市議会の議席配分をさっくり説明します。

 大和市議会は議員定数28名

うち10名が「自民党新政クラブ」

5名が「公明党」

4名会派が「明るいみらい大和」と「共産党」

2名会派が「虹の会」と「生活者ネット」

会派に属さない議員1名

という会派構成で、自公で議席の過半数を占めています。

「なにがいいたいかと言うと」
 つまり今後は、過半数の議席を占める自公が是とする意見書案のみが本会議で審議され、お気に召されない意見書案は本会議で審議すらしないという、恥ずかしい議会になってしまったということです。
 
「議会運営は全会一致が原則」
 こうした「議会運営の取り決め」は「原則として」多数決ではなく、全会一致となっているが、本件は「議論が尽くされた」と例外とされ、多数決できめられました。石田が所属する虹の会や共産党、ネットが反対したが他の会派が賛成に回り、賛成多数で可決されました。(※会派に属さない議員は議運に入れないため賛否を表明してない)
 


「最大の問題点」
 ツッコミどころは、少数意見の弾圧とか、議会の多様性とかいろいろあるんですが、そもそもの話、

「法律で保障されてる議員の権限を制限するとかあり得ない」


「法律に議員の発案件が明記」
 地方自治法99条の行政実例には「意見書の提出及びその意見の内容は、普通地方公共団体の機関である議会自身の決定すべき権限であることから、その議決は機関意思の決定としての議決である。したがって発案権は議員に専属する」と議員の権利を明確に認めています。
 

 


 

「誰でもわかる明確に違法な議運決定」
 日本国憲法では、「法律の範囲内で条例を制定することができる」とされており、「法律」で保障されている議員の権利を条例ですらない議会の一機関である大和市議会運営委員会の申し合わせで制限することは超基本的な法体系を無視した明確な法律違反です。議員には法の尊守義務が課せられており、法律違反を議会として行うことは完全にアウトです。「法律を守ってください」としかいいようがないです。
 
「本当にこれでいいのか確認」
 3月5日の議会運営委員会で各会派に地方自治法99条と今回の議運の申し合わせの法的な整合性について、本当にこれでいいのか考えを確認しました。結果的に自民・公明の2会派は法律で保障されている議員の意見書発案権を議運で制限することが「できる」との見解を示しました。

また今回の議運決定に賛成した会派「明るいみらいやまと」の議会運営委員は、

「議運で審議することで議員の発案権は担保されている。」と議運決定は違法ではないと驚きの見解を示しました。
 他の賛成会派は最低限、違法性は一定認めた上で運用で許される範疇である旨の見解であるのに対し、議運で審議してるから議員の発案権は担保されているという見解は、そもそもの議会運営委員会の役割を理解していないことになってしまいます。議会運営委員会は読んで名の通り、「議会の運営を話し合う委員会」であって、議案を審議する委員会ではありません。なので審議もせず、議決も取らず、議運で意見書案を提示できれば議員の発案権が担保されるとの見解は正直、驚きました。

 

「少数意見を排除する恥ずかしい議会」

 「否決される意見」=「少数意見」なわけで、否決される意見書が本会議で扱われなくなることは、少数意見の抹殺に他なりません。

大和市議会は今後、否決される意見書・決議案は審議すらしない「少数派の意見を排除する恥ずかしい議会」になります。

しかも、「明確に法律で認められている議員の権限を踏みにじって」です。

 

「市民の知る権利にも悪影響」

 市民の知る権利にも深刻な悪影響が生まれます。本会議で審議しないことで、議会ごとに配布される議会だよりには、今後、否決される意見書は載せられなくなり、可決される意見書だけが載るという恥ずかしい広報紙になり下がり、インターネット中継では、否決される少数派の意見書・決議案は中継もされませんし、議事録にも残りません。多数派の意に沿わない意見書は話し合いすらしなくなるので、今後、市民は多数派の意に沿う意見書しか議会だよりや議会中継で見ることができなくなります。これは明確な議会機能の後退です。ありえない。

 

「ぶっちゃけ党の意向」
 さらにぶっちゃけて言うと、根が深いのは、この議運決定は多数派の市議会議員さんがたが「主体的に決定したもの」ではなく、「党の意向」が大きな要因であるだろうことがこの問題の深刻さを物語っています。
 大和市の個々の議員が主体的に行ったのであれば、まだ大和市議会の問題として収まるんですが、「党としての方針」があり、やっているのだろうと様々な情報筋からお話を伺い、また多数派の議員さん個人とこれまで接してきた関係性から、私は確信しています。
 つまり、これは大和市議会だけの問題ではないということです。あなたの街の議会でも、すでに起こっているかもしれませんし、これから起こるかもしれない。「国会の毒が地方議会にもまわってきています。」
 私は改めて「人」ではなくそうなってしまう「構造」に目を向けないと根本的な問題の解決はできないと強く感じています。


「未来の民主主義に責任ある議会運営を」
 会派や議員、支持政党によって、いろんな考え方や立場があることは、理解していますし、私はそれを「多様性の範囲」だと考えてきました。しかし、今回の議運決定は明らかに違法です。こうした多数派による法律を無視した議会改悪がまかり通れば、議会の多様性は失われ、多数派の言論ばかりが飛び交う議会になり兼ねません。人は情報がなければ問題意識を持つことすらできません。子どもたちが担う未来の民主主義に責任を持った議会運営が必要と強く感じます。
 
「お願い」
 政治には様々な問題がありますがそれらを決定する「議会運営のあり方」は、もっと根幹の「僕たちの社会の意思決定のあり方」そのものを問われるもので、この上なく重要な問題です。しかし、私には大した発信力もありません。
こうしてブログで呟いたり、SNSで発信するなど、可能な限り知ってもらう努力はしますが、石田だけでは限界があります。もし、この問題を深刻なものと感じて頂けたのであれば、

あなたも「伝える人」になって下さい。

石田も全力を尽くします。よろしくお願いします。
 

大和市議会議員 石田ゆたか