アウトソーシングに頼るか自前で何とかするか? | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

昨年度から、かなり大きな企業様から、高分解能MS/MSを用いた未知化合物の構造推定のご依頼を頂いています。年に数回、定期的にご依頼を頂いているので、非常にありがたいです。かなり大きな社内プロジェクトのようです。そのプロジェクトには、高分解能MS/MSを用いた未知化合物の構造推定が必須で、しかしその内容に詳しい社員がいない(質量分析の経験者は何名か居るようなのですが)ということで、弊社のホームページをご覧になってご連絡を頂きました。

 

このお客様のケースのように、組織で仕事をするとき、その内容に対して詳しい者が組織内にいない時どうするか?

 

アウトソーシング即ち外注するか、自分達で勉強するなり努力して何とかするか、の大枠では二択になると思います。どちらにすべきという事はありません。組織によって、また同じ組織においても仕事の内容や緊急性、それにかけられる予算、費用(時間)対効果等によってどちらが良いかは決まってきます。

 

私の会社エムエス・ソリューションズは、常勤は私ともう一人の役員の二名だけの会社ですから、自分達で自信をもってできることは限られます。そして、得意でない事は、やはりアウトソーシングに頼る事が多いです。税金関係は設立当初から税理士に頼んでいますし、特許調査や出願も専門家に頼みます。

 

自分達で出来ることでも、時にはアウトソーシングに頼ります。実例として、先ずは役員を追加した時の登記申請。これを司法書士に頼みました。会社設立時の登記申請は全て私自身でやりましたので、今回の役員追加の申請もやろうと思えば自分でできました。そして、つい最近の例では、販促資料の英訳。これを翻訳会社に頼みました。私は今までに論文を10報以上全て英語で書いているので、これもやろうと思えば自分で出来ました。まぁ、最近は英語で論文を書くこともなくなってしまったので、英語力が大分落ちていることは否めませんが...

 

やろうと思えば自分達でできることをアウトソーシングする。そのポイントは幾つかあると思います。

・自分達でやるよりも良い結果が期待できる。

・得意でないことに時間を費やすより、その時間を本来の仕事に充てた方が効率的である。

特に2番目の考え方は重要だと思います。私自身、自分でやろうと思えば出来ることをアウトソーシングするのは、主には2番目の理由です。例えば上記の役員追加の登記申請。自分でやろうとすれば法務局に行ったり慣れない資料を作成したり、かなりの時間がかかります。それよりも、その時間を製品の販促資料を作成したり、コンサルティングをしているお客様のデータ解析のための情報収集をしたりすることに使った方が、トータルでの時間(費用)の使い方としては効率的です。

 

アウトソーシングを活用しない会社は、とかく目先の支出に拘り過ぎる傾向があるのだと思います。得意でないことを、時間はかかっても社員に担当させれば、社員に対する支出(給料)は固定費ですから、見かけの支出はゼロ。一方アウトソーシングすれば、その費用は目に見える形での支出になります。しかし、社員に本来の仕事をさせれば、同じ時間でより生産性の高い仕事が可能になるかも知れません。

 

それでも、努力した結果担当社員が成長できれば、教育のための費用をかけたことになるので、それはそれで大きな成果を上げたことになります。しかし注意しなければならないことは、その努力が間違った方向に向かってしまうことです。見当違いのことをしてしまうということです。そうなると、費やした時間が無駄になるだけでなく、間違った結果が得られてしまうので、会社としては正に踏んだり蹴ったりの状況です。

 

これからの企業経営は、固定費を出来るだけ抑え、専門性の高い仕事についてはアウトソーシングを上手に使うことが、重要なキーポイントの1つになると思います。

 

 

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エムエス・ソリューションズ株式会社
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引用元:アウトソーシングに頼るか自前で何とかするか?