1クール目の学生達と似た感じで、やっぱり大人しい子の割合が多いですね。実習は質量分析計の前で行うのですが、他の装置(班)の実習も同じ大部屋で行うことや、質量分析計はそもそも真空装置が接続されている影響で、実習の部屋は結構賑やかなのです。測定をしながらデータの解釈(観測されたイオンの帰属)について、解説しつつも学生達に色々と質問を投げかけますが、大人しい子は2 m位の距離にいるにもかかわらず、何を言っているのか聞き取れません。声の小ささは自信の無さの現れなのだと思います。こちらとしては、彼らは質量分析の事を殆ど知らないことを承知の上で色々と質問を投げかけている訳で、正しい答えは特に期待していないし、それは予め彼らに伝えてはあるのですが。大きな声ではっきり答えられない子が少なからずいます。
理系大学の3年生として、“これは知らなきゃマズいだろ!”ってことは当然沢山あり、それを大きな声で間違えていてはお話しになりませんが、質量分析に関わることを知っている大学3年生は日本中探したってそうはいないので、正しいとか正しくないとか気にせず、自分の意見を大きな声で言えるようになって欲しいと思います。
“自分の意見をはっきり言える”って、例えば就活の面接でも重要だと思うし、勿論社会に出て仕事をするようになってからも大切なことだと思います。まぁ、組織によっては、若いうちから自分の意見を言う人を煙たがる場合もありますが...
講義・実習・解析と3回しか関わらない学生達に、その辺りの重要性を説くのは難しいので、もっと早い学年あるいは高校生のうちから、多くの学生達にそういった力を付けてあげる教育が必要だと思います。
それともう一つ気になるのは、講義でも実習でも、こちらの話を聴いていない学生が多いということです。何度も同じことを説明して、その都度質問をして確認しているにも関わらず、同じこと(質問は違うけど答えは同じになる)を他の学生に質問しても、答えられない子が結構います。“今の話、聴いてなかったの?”って突っ込みたくなることが頻繁にあります。
集中力がないというか、上の空で聞いているというか...
実習だと1班平均10人で、1回の実習で一人3回位は質問するので、集中して聴かなければならない環境にはしているつもりなのですが...
まぁ、興味のない事にはなかなか集中できないものですけど!
こんな時、アドラー心理学を少し勉強していることが役に立ちます(←自分にとって)。アドラー心理学の中心的な考え方の1つに“課題の分離”があります。大学3年生というと、色々な科目を勉強しなければなりません。全てに興味をもって取り組める学生はいませんから、質量分析の講義&実習に対する興味のもち方も人それぞれです。「私の講義&実習に興味をもつか否か」は学生達の課題であって自分の課題ではないと考えることで、興味をもたない学生達に対するストレスをもたなくて済みます。「学生達に興味をもたせるように講義や実習の内容を考えて実践する」ことは私の課題なので、それに対しては毎回集中して取り組みますが、それでも全ての学生に興味をもたせることは無理なので、自分がコントロールできない他人の感情に自分の感情を左右されないようにすることが大切だと思います。
この考え方は、仕事をする上でとても重要で、私自身この考え方ができるようになってとても楽になりました。学生達にも、この“課題の分離”についてはよく話しています。
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引用元:横浜市立大学における質量分析の講義&実習:第2クール終了